ノーベル賞学者の息子は天才ハッカー 下村努

天才と名のつく人物の話ばかりを書いていますが、もう1つ話題を
2008年にノーベル化学賞を受賞した下村脩ボストン大学名誉教授の息子は、天才ハッカーとして知られた下村努です。父親がノーベル化学賞を受賞するまでは息子の方が有名だったと言われるくらい、名前の知られた人物です
下村努は1歳で家族と共に渡米し、アメリカ暮らしを続けていますので日本語はほとんど話せないそうです
少年時代はかなり反骨精神が旺盛だったようで、飛び級を重ねて中学校を卒業しないまま12歳でハイスクールに入学するものの、教師たちには態度が不遜すぎるとして嫌われ放校処分を受けています
その後17歳でカリフォルニア工科大学に進学するものの、そこも2年で退学。19歳でアメリカの物理学研究の頂点の1つであるロスアラモス研究所に入り、物理の研究とコンピューターの管理に当たります
努は15歳のときには父親の勤務先であるプリンストン大学に勝手に出入りし、コンピューターのプログラムを組んでいたとされます。そんな彼にとって高校の授業は退屈すぎたのでしょう
その後、カリフォルニア大学サンディエゴ校のスーパーコンピューター・センターの主席特別研究員として仕事をしていたとき、全米を騒がせていたハッカーが彼の管理していたコンピューターに侵入し、ファイルを盗まれる被害に遭遇します
ハッカーは脅迫のメールや電話で彼を挑発してきます。下村は苦闘の末、ようやくハッカーの正体を突き止め、彼の住居を特定することに成功します。FBIが家へ踏み込み、全米で最悪と呼ばれたハッカー、ケビン・ミトニックが逮捕されました


「史上最悪のハッカー」を追いつめた日本人


この事件は本として出版され、映画にもなりました
なお高校時代、彼が荒れていた(学校の教師と折り合いが悪かった、家族との関係が良くなかったと)とウェッブサイトに書かれていたりしますが、放校処分を食らったほどですから事実そのとおりだとしても、それはおそらく自分のエネルギーを持て余し、進むべき道が見つからない苛立ちによるものだと推測されます
思春期の少年にはよくある話です
日本でも高校1年の夏に挫折し、中退する少年少女が大勢います
それでも彼は自分の進む道を模索し続け、現在に至るわけですから、高校時代の放校処分が傷だとは思えません。人の評価は長い目で見てこそ、でしょう
この先、コンピューター技術者として大成するのか、物理学者として大成するのか分かりませんが、また何かの機会にその名を耳にできるかもしれません
優秀な研究者の息子もまた優秀、という例があるのだなと思い、取り上げました

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