「ヒカルの碁」 海外の反応など
漫画、アニメーションで人気を博した「ヒカルの碁」の監修を担当した梅沢由香里五段が3月末、長男を出産したとの報道がありました
「ヒカルの碁」の監修に関わるようになったのが1999年ですから、随分と時間が経過したのだな、とあらためて感じます
そんなきっかけもあり、「ヒカルの碁」について取り上げてみます
海外のマンガ、アニメーション関係のレビューから幾つか拾い出し、紹介します
12歳のとき、自分には(ヒカルのように)夢中になれるものがあったのか、と思うと正直羨ましくなる
暴力でもなく、セックスでもなく、これだけ純粋に人をひたむきにさせる世界を描き出すんだから、やっぱスゲエよ
自分の姉は熱狂的なマンガファンです。しかし、自分はこれと言えるマンガで出会うことができませんでした
「ゼルダの伝説」を読みましたが、それは随分と単純なストーリーでした
そんな自分のため、姉は「ヒカルの碁」を見つけてきてくれました
小畑の画と、堀田の生み出すストーリーはとってもクールです
生意気に聞こえるかもしれませんが、12歳の自分でもこの物語の凄さが分かるんですよ
4年前マンガ好きの友人に奨められて、断りきれなくて「ヒカルの碁」を読んだんだ
「え、中国の話なの? こんなもん、誰が読みたがるんだよ」なんて思いながら
そしてすぐに自分の抱いていたマンガのイメージが間違っていると知らされたよ
マンガのもつ表現力、ストーリーの奥深さ、そして多彩な登場人物…読んでみればもう夢中にさせられる
ヒカルとアキラのライバル関係がいい。本当はアキラの方が天才的に強くて、ヒカルはゴーストである藤原左為に碁を打ってもらっているんだけど、アキラは猛烈にヒカルをライバル視して、より強くなろうとする
そんなアキラの情熱がヒカルにも伝わり、ヒカルもまた強くなろうとする
少年マンガじゃありがちなパターンだけどね、やっぱり2人の関係が気になって次を読まずにはいられなくなる。本当に中毒だね
私はこの本の影響力に驚いています
14歳と10歳になる息子は「ヒカルの碁」を読んでから、2週間もしないうちに碁を打ち始めました
私は趣味で碁を打っていましたが、息子たちに碁を教えたことはありませんでした
息子たちは物語の先を知りたがって、せがみます
親子して碁を楽しめるようになり、とってもハッピーです
登場人物それぞれの生き様、勝負にかける情熱がきちんと描かれているところがこの作品の魅力だと思う。
それがなければ退屈な(勝ったり負けたりするだけの)アニメだったはず
ドラマとしての作り方がしっかりしている。ストーリーが進み、ヒカルが成長するに従って住む世界が違ってくる。もう学校の仲間たちは登場しなくなる
それは残念かもしれないが、ヒカルの住む世界が彼らとは違ってしまっているのだということ
(出会いと別れが)作品にシリアスさを加味している
マンガ、アニメーションとも賞賛する意見が多いのですが、最後に引用したレビューのようにすべての人が、作品に描かれた出会いと別れに賛同し共感しているわけではありません
特にアニメーションの第60話で藤原左為が姿を消して以降、ヒカルの落ち込む様を描いた展開については、「見る価値もない」とか「廃棄物」と酷評する声があります
やはり、海外の読者や視聴者にすれば、ハッピーエンドの展開でないとダメなのでしょうか?
ヒカルのうじうじした姿が際限なく続くようなストーリー展開ですから、「何、これ?」と感じる視聴者も少なくなかったのでしょう
物語は終わらせ方がはやり難しく、大多数の読者や視聴者に納得してもらえるようなエンディングを用意するのは至難の業です
ヒカルと左為の別離の場面はないまま、ジャンプ漫画にあるような「オレたちの闘いはこれからだ!」のような終わらせ方の方が海外ではウケたかもしれません
原作者としてはどうしても藤原左為とヒカルの別離を盛り込みたかったのでしょうし、自分としてはあれでよかったと思うのですが…
海外の反応とは別に、「ヒカルの碁」は2度にもわたる事件に見舞われており、後味の悪いイメージがこびりついている作品です。不幸な話です
1つの事件は、韓国で放送された「ヒカルの碁」で藤原左為の衣装(平安時代の装束)がけしからんとする韓国側の事情により、ボカシが入って首から下はモヤのような姿になってしまった件です
日本の漫画・アニメーションのファンがこの韓国による原作を貶めるようなやり方に抗議の声を挙げ、騒動になりました
2つ目の事件は、北斗杯でヒカルが勝つのか、韓国人棋士が勝つのかでもめ、日韓の読者が非難合戦に発展したものです
韓国からは、「韓国人棋士が日本人棋士に負けるなどありえない」との声が起きました
また、漫画で描かれた韓国人棋士が、「ありえないほど美形すぎる」として日本では批判の声が起き、その矛先が原作者ほったゆみ、作画の小畑健に向けられました
それだけファンも多く、関心が高かったために発生した騒動だとも言えますが、すっきりしない幕切れであり、しばらくはさまざまな噂が飛び交いました
海外の反応、という点では韓国側の過剰な反応も含んで語るべきなのでしょうが、愉快な話ではないので割愛します
当時の雰囲気を知りたい方は以下のウェッブサイトを御覧ください。ただし、書き込まれている情報は裏付けなどありませんので、真偽は不明です
【疑惑】ヒカルの碁 終了の真相は【何故】
さて、漫画とアニメーションによって囲碁ブームを起こした「ヒカルの碁」ですが、朝鮮日報日本語版の記事では、韓国棋院の取り組みが紹介されていました
「ヒカルの碁」に倣って韓国棋院が囲碁普及のため漫画やアニメーションを企画した、という内容でした
しかし、出来上がってきた企画が、「囲碁の天才少年が次々と大人を負かす」という内容で「ヒカルの碁」と酷似していたため、中止になったとの話です。要するにパクリ企画だったのでしょう
もし実現したなら、少年が一方的に大人を打ち負かしてその強さをアピールばかりで、主人公の葛藤や苦悩など微塵もないバトル漫画になっていたかもしれません
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