タレント飯島愛の死因がエイズだと報じる中国メディア
インターネットメディアの1つ、「ここへんJAPAN」は海外で日本がどのように報道されているか取り上げている場ですが、いまいちスタンスがつかめません
「ここへんJAPAN」は独自の取材はせず、たとえばサーチナやレコードチャイナなどが取り上げた「又聞き」の情報を追いかけ、記事にしています
サーチナやレコードチャイナの記事も中国のローカルメディアによる、ろくに取材もせず裏付けもない憶測記事であったり、個人のブログだったりするのはご存知のとおりです
そんな出処の曖昧な情報に依存する「ここへんJAPAN」は、ネタという扱いしかできません
前置きが長くなりましたが、「ここへんJAPAN」ではタレント飯島愛がエイズで死んだとする中国メディアの記事を取り上げています
飯島愛の死因はエイズ?
記事の中で、「中国でも日本のAVの人気は高いことは既に周知の事実で、彼女が最初に来るのも不思議ではないのですが、この記事を見たとき、彼女の死因は肺炎だったはずと、すさまじい違和感を覚えました」と書いています
タレント飯島愛の死については、自殺説や薬物中毒説などいろいろ取り沙汰されたのですが、「ここへんJAPAN」のライターは、「肺炎で死亡した飯島愛をエイズにより死亡したと報じる中国メディアは変だ」と言いたいのでしょうか?
曖昧な書き方になっているので、何を主張したいのかよく分かりません
そもそもこのライターはエイズについて誤解をしている節があります
エイズに感染してもエイズで死ぬ人いません。エイズとは人間の免疫力を著しく減衰させる病気なのです
そのため免疫力が弱まったエイズ感染者は、さまざまな感染症にかかりやすくなってしまい、それらの感染症によって命を落とすのです
代表的な例として肺の感染症が挙げられます。ウィルスやさまざまな病原菌、病原虫が肺に入り込み、炎症を引き起こして死に死に至らしめるケースです
エイズ感染者がしばしばカリニ肺炎にかかるのは知られたところです。カリニ肺炎を引き起こすカリニ原虫は健康な人間の体の中にも寄生していますが、人間の免疫力により、その活動は抑えこまれています
しかし、エイズに感染して免疫力が低下するとカリニ原虫が肺に悪さを始めます
ですからエイズ以外でも、他の病気によって著しく体力が低下し、免疫力が弱っている患者さんがカリニ肺炎を発症する場合があります(カリニ肺炎を発症したからエイズだと決めつけてはいけません)
「ここへんJAPAN」のライターは、エイズに感染していた人間が肺炎で死亡するのは変だと、思い込んでこの記事を書いたのではないでしょうか?
飯島愛が自宅マンションで遺体となって見つかったのは、死後1週間ほどだと報じられました。死因解明のため病理解剖をしたとも報じられましたが、その詳細は不明のまま「肺炎」だったと警察が表明しています
世間一般では「肺炎くらいで死ぬわけがない」との思いがあり、「別の病気だったが警察が死因をごまかしている」との憶測を生じたのでしょう
あるいは自殺の場合も、「警察が死因を心不全だとごまかすのはよくある話」との臆見があるため、「本当は自殺だったのでは?」との観測が流れたのでしょう
借金説、精神的に追い詰められていた説、薬物中毒説、エイズ説などなど、さまざまな見方がありました
ハキハキとした物言いが売りの飯島愛が、引退理由も明かさないまま突然芸能界を去ったのも、こうした憶測に拍車をかけたのだと考えられます
「人には言えない何かが彼女にあった」と皆が思い込んでしまったのです
中国メディアの側にすれば、「彼女はAV女優だからエイズに感染していたに違いない」との思い込みがあったのでしょう
こうした中国の思い込みも困ったものです
中国自体が100万人以上のエイズ感染者を抱えているのですが、中国政府は感染の広がりについて否定し、患者の数もごまかし続けています。そしてエイズは「享楽的な資本主義社会に見られる病気」だと決めつけ、西側諸国を批判しています
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