東北地震 プロ野球開催に反対する選手会の言い分
プロ野球のセントラル・リーグが3月25日に開幕を決めたのですが、メディアはこれを批判する論調に溢れています
また、労組プロ野球選手会の新井貴浩会長(阪神タイガース)も25日開幕に、選手会として反対を表明しています
新井「ボイコットは望まない」強行に怒りも為す術なし
「選手会の要望が受け入れられずに残念な思いです。被災された方、安否不明の方避難所で生活されている方のことを思うと…電力が不足しているなかで、原発の問題があるなかで『これでやっていいのか』というのが選手会の総意です」と語る新井選手の心情は理解できなくはありませんが、自分はやはり3月25日にプロ野球をやるべきだと主張します
「3月25日開幕は不適切で不謹慎で、4月12日開幕なら妥当」とする論拠はありません。3月25日開幕が不適切なら、電力事情が飛躍的に改善する見通しがない現状において、パシフィック・リーグの4月12日開幕も不適切だという理屈になってしまいます
関西電力、中部電力管内でナイターを実施したとして、それがただちに東京電力管内で電力不足を招くというものではありません
「非常事態だから何でも自粛すべき」との主張は大間違いです
先日は、「サッカーをやっている場合ではない」とするサッカー評論家の意見に反論を書きました。「こんな場合だからこそ、サッカーをやるべきだ」と
残念ながらニュージーランド代表との試合はキャンセルになってしまいました
ニュージーランド・サッカー協会の「選手の安全が確保されない」との理由ですが、地震の被害を受けていない関西での試合開催であっても、「安全に問題がある」と決めつけるのは情報に惑わされた結果なのだろうと思います
日本全土で地震が頻発しており、原子力発電所の放射能漏れで日本全域が汚染されているかのような印象が全世界に広がっているためでしょう
「そうではない」と叫んだところで、誰も耳をかさないのが現状です
ならば、日本はプロ野球をやり、選抜高校野球を開催し、Jリーグの公式戦もやるべきではないでしょうか?
日本は健在であると世界に向けてアピールするためにも。プロ野球選手たちもそうした使命感を認識してもらいたいと思います
日本が世界に求めるべきは同情ではありませんし、お金や援助物資でもないはずです。日本は壊滅状態だという偏見を取り除き、日本は健在であると理解してもらうことこそ、必要なのだと考えます
プロ野球が今年公式戦開催を見送れば、それが日本の復興に寄与する結果になるのか、選手会は考えるべきです
ナイターで電力を消費するのが問題だというなら、昼間の試合を増やして開催する手もあります
「何でも自粛」は経済活動の停滞をもたらすだけです
同時に、「チャリティ」と銘打てば何をやっても許される風潮も異常でしょう
一部のスポーツ紙は、セントラル・リーグの3月25日開催を「金のためだ」と決めつける報道を繰り返していますが、それはあまりに視野の狭い見方です
第二次大戦中、アメリカではメジャーリーグの試合を中断せず、興行を続けました
「金儲けのため」だと決めつけるのは簡単ですが、そればかりではなかったはずです
メジャーの選手が戦争のため出征しても試合を開催し続けるのが、アメリカのプライドであったからです。それを思い上がりだと批判することもできますが、その強烈なまでのプライド意識こそ、プロだと自分は思います
戦争があっても、災害があっても野球をやるのだというプライドが、メジャーをメジャーたらしめているのでしょう(年俸問題で選手がストライキをし、シーズンが中止になった年もあったのも事実ですが…)
今回の災害で、野球選手を目指していたり、サッカー選手に憧れた少年少女たちが被災し、命を落としています。プロならばそうした少年少女の思いに応え、精一杯のプレーをするのが何よりの供養ではないでしょうか?
試合を自粛したところで彼ら、彼女らは喜んでくれません
(関連記事)
東北地震 ガソリン不足への対策
震災によるストレス、不安神経症への対処
プロ野球のナイターを巡る論争
原発への放水強要 従わない消防隊は処分すると発言した政府
被災地支援 自衛隊の野外炊具1号動画が人気
東北地震 「サッカーをやっている場合か」への反論
東北地震 食料買い占めの動き
東北地震 政府は復興への筋道を示せ
世界が日本を応援している くじけるな
東北地震 輪番停電をやる、やらないで大混乱
災害対策予算を仕分・削減した蓮舫大臣に批判殺到
東北地震 アメリカ軍空母到着
地震に関するデマ情報は迷惑のかぎり
東北地方の地震 被害甚大