恋愛相談「彼の元カノと自分を比べてしまう」

ウェッブサイトの恋愛相談として掲載されている内容が気になったので取り上げます

彼の元カノと自分を比べてしまって、苦しい

25歳の女性の相談ということになっています。彼氏は28歳で、数年前まで交際していた10歳以上も年上の恋人(既婚者)がいた、という状況です
相談者である女性は、「彼氏の心の中に昔の恋人が存在し続けている」のが気になって仕方がないと訴えています
回答者のアドヴァイスは「彼の過去ではなく、今が大事であって、今、ここから、あなたと彼が、二人の揺るぎない幸せを作っていけばいいのです。過去に負けない、二人の信頼関係をつくっていけばいいのです」となっています
無難なアドヴァイスのように感じられる方もいるでしょうが、自分としては回答者が問題点を履き違えているように思えます
まず、相談者である女性は過去に複数の男性と交際してきた経験があり、その中で「今まで付き合った男性の中でいちばん元カノが、元カノが、と言っていたような気がします」と述べているのを、回答者は見過ごしています
つまり、「現在交際中の彼氏が元カノを忘れられずにいる」と相談者は訴えている格好なのですが、事実は相談者自身が元カレと現在の彼氏を比較せずにはいられない状況にあるのです
昔の恋愛を引きずっているのは相談者である女性の方で、交際相手である現在の彼氏ではないと考えられます
ですから「これから二人で信頼関係を築けばよい」とのアドヴァイスも、彼女の心には響かないのかもしれません
もちろん、こうした相談は直接面談して行うものだとは限りません。投稿フォームを使って寄せられた文面だけで、他の情報がない場合も考えられます
しかしだからこそ、その相談内容を吟味し、検討し、相談者の内面を読まなければなりません。「元カノに執着している彼氏」という相談者の表現をそのまま鵜呑みにすると、重要な事実を見誤ってしまうのです
前にも書きましたが、カウンセリングの技法というのは原則として無意識の領域には踏み込みません(例外はあります)
相談者の語る内容をそのまま受け入れるべし、との立場をとるカウンセリング理論もあります。カウンセリングは基本理論だけで20以上の流派に分かれており、その考え方や技法もまちまちですから、一括りにして語るのは間違いではあるのですが
精神分析の側から見れば、この相談者は自身の抱え込んでいる問題(過去の恋愛を未練たっぷりに引きずっている…)を、現在の彼氏の問題のように置き換えている、と考えられます
本当に必要なのは相談者自身が過去の恋愛を精算し、元カレに対する未練を断ち切るなり、思い出として過去に封印するなり、けじめをつけることでしょう
でないと、「これから信頼関係を築く」にしても、相談者は責任を彼氏に転嫁してしまい、不都合な出来事はすべて彼氏のせいにしかねません

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