連合赤軍永田洋子死刑囚と「更級日記の少女」
昨日は連合赤軍のリーダーであり、死刑が確定したまま脳腫瘍のため死亡した永田洋子について書いたのですが、赤軍事件のまとめサイトを読んだり、他の方のブログを読んでりで、ブログを書き始めてから記事をアップするまで12時間ほどかかってしまいました
自分が永田洋子の死について、何を語りたいのか定まらなかったためです
各メディアはそれぞれにこのニュースを報じていますが、産経新聞など実に味気ない扱いです
なぜそこまで「総括」という左翼用語を使って報道しなければならないのか、と思ってしまいます(産経新聞なりの皮肉を込めた書き方だろうとは思いますが)
昨日も触れましたが、永田洋子が東京拘置所で自伝的手記「十六の墓標」を書き、自ら「総括」しようとしたのですが、「総括」が左翼用語であるように中身も左翼用語と左翼理論で構成されており、そこに彼女の反省も肉声も感じられないというのが自分の抱いた思いです
犯罪者がさまざまな形で獄中記を書き、あるいはジャーナリストが拘置中の犯罪者と面会したり文通したりして事件についてのルポルタージュの発表したりします
そこに何らかの反省や犯罪者自身の内心の吐露が見られる場合もあるのでしょうが、自己欺瞞に終始したり、自己を過剰なまでに演出するような本もあります
獄中記だからそこに事実が書かれていると思い込むのは間違いです
整形手術をして14年も逃亡生活を続けた殺人犯福田和子について前にも触れましたが、福田は殺害したホステスの女性と自分はレズビアンの関係であると「告白本」に書きました。被害者遺族はこれに激怒しています
金目当ての強盗殺人ではなく、レズビアンの愛情のもつれが原因だったと福田和子は言いたかったのでしょう。しかし、それが事実かどうかは不明です。福田和子が偽名を使って逃走生活を続けたように、この告白も真実から逃れるための嘘である可能性は残ります
話が逸れてしまいました
要するに永田洋子の持って回ったような「総括」も、真実から逃れるための嘘である可能性が否めないと自分は思うのです
共産主義革命の闘士という虚構にしがみつき、左翼用語で固めた弁解を並べる永田洋子は最後まで自分と向き合おうとしないままだった、と
さて、昨日読んだブログの中で特に印象にのこっているのが、以下のブログです
更級日記の少女たちへ-「永田洋子獄中スケッチ」「十六の墓標」
永田洋子がこんな乙女チックなイラストを書くのか、という驚きもありますが、太宰治の「斜陽」と永田洋子を結びつける視点にも驚かされました
「ああ、こんな表現の方法があるのだな」とブログ主のセンスに感心した次第です
「ジェンダー問題に取り組み、闘った永田洋子」という展開には賛成できませんが
永田洋子がまだ連合赤軍のリーダーになる前、他の男性幹部活動家からレイプされた話を、雑誌に掲載された元赤軍メンバーの手記で読んだ記憶があります
当時、左翼活動の中で女性メンバーが他の活動家からレイプされるのは珍しいことではなく、公然の秘密でした。解放のための闘いに従事している女性ても、男性活動家の性欲処理の道具として扱われる実態がそこにはあったのです
レイプされたと仲間に被害を訴えたなら、逆にリンチを受けて殺されるか、半殺し状態でグループから追い出されたでしょう。永田洋子は自分の居場所を守るため、レイプされても黙って受け入れるしかなかったのかもしれません
そうした矛盾を永田洋子は生きたわけです。が、自分の思いについては最後まで口をつぐんだまま語ろうとはしませんでした
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