「韓国ドラマやゲームが世界を魅了」と夢想する韓国メディア

朝鮮日報が「韓国のドラマ、ゲーム、アニメーションが世界を魅了している」と夢想する記事を掲載しています
中身はほとんどお金の話です。ドラマ、映画、ゲーム、アニメーションといったコンテンツの輸出でいかにお金を稼ぐか、という話であり、その文化としての質を問うものではありません
韓国メディアがこの手の記事を掲載するときは決まって売上の話であり、輸出でいかに儲けるかについてのみ、熱心に語りたががるのはなぜでしょうか?
朝鮮日報の記事は数ヶ月もすると読めなくなりますので、いつものように部分的に抜粋して掲載します


韓国のドラマやゲームが世界を魅了
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チョン社長が海外進出に積極的なのは、米市場で成功した自信があるからだ。2009年にチョン社長は黒人文化をテーマにした韓米漫画『ザ・ブーンドックス』をアニメ化した。
当時、「韓国企業にきちんとした作品が作れるのか」と心配する声をよそに、企画から制作まで自ら手掛けた。
そして昨年5月、米国のアニメ専門チャンネル「カートゥーン・ネットワーク」を通じ、『ザ・ブーンドックス シーズン3』というタイトルで放映されたこの作品は、アニメ史上最高の瞬間視聴率57%をマークした。
半導体・造船・自動車・鉄鋼など製造業分野で力強い発展を遂げた韓国は最近、「韓流」を掲げコンテンツ産業を「新輸出産業」に育て上げようとしている。「メード・イン・コリア(韓国で製造された製品)」からワンステップ上を行く「クリエーティッド・バイ・コリア」(韓国で創造された製品)へと質的な飛躍を遂げようとしているのだ。
梨花女子大学のイ・インファ教授は「コンテンツ産業は技術的な面はもちろん、その国の経済的・文化的な力を総体的に示すものだ。ゲーム・ドラマ・アニメといったコンテンツ産業は、スマートフォンやタブレットPCなど『新産業ビッグバン』の中心に位置付けられている」と話す。
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コンテンツ振興院のキム・ヨンドク日本事務所長は「韓国の文化を消費する日本の若い層は、韓国のIT製品も積極的に消費している」と話す。アジア市場の韓流ブームをベースに、韓国のコンテンツ産業輸出額は2008年の18億8400万ドル(約1544億円)から、09年には25億4300万ドル(約2084億円)にまで増えた。
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ゲーム会社の世界市場攻略は、比較的豊かな資金力がベースとなって実現できた。しかし、「映画・アニメ分野における貧弱な国内市場と投資不足は限界点に達している」と指摘されている。
韓国コンテンツ振興院によると、世界のアニメ市場の規模は今年145億ドル(約1兆1889億円)と推定されているが、韓国市場の規模は4000 億ウォン(約292億円)に過ぎない。韓国産業研究院(KIET)のチェ・ボンヒョン研究員は「米国は映画1本を作るのに5000億ウォン(約365億円)を投じるが、韓国では1年間の映画投資額は3500億ウォン(約255億円)程度。このような零細な投資環境を乗り越えられない限り、アジア市場を超えるのは容易でない」と指摘した。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


これまでに何度も書きましたが、韓国のゲーム産業はオンラインゲームだけに特化され形態ですので、日本と比較するのはどうかと思います
韓国のコンテンツ産業(ドラマ、映画、ゲーム、アニメーション、その他)の輸出額が2084億円と記事では誇っていますが、任天堂の2010年3月期の連結決算は売上が1兆4343億円です。輸出比率が85%なので、任天堂の輸出額は1兆円近いのでしょう(そう単純に決めつけられないのですが)
ゲームソフト会社コナミの連結決算で売上が2600億円ですから、韓国のコンテンツ産業の輸出総額はコナミの売上より少ないのが現状です
この数字から、日本がいかにコンテンツ輸出大国か分かっていただけると思います
ソニーなどもふくめれば、その売上はさらに膨れ上がります(ゲームソフトだけでなくゲーム機の売上も含めてですが)
コンテンツ産業という括りで考えるならゲーム機とゲームソフトの製造・販売を握っているのが、日本の強みだと言えます(韓国はゲームソフトの製造・販売のみ)
日本の漫画やアニメーションの輸出額はその出典によって金額がまちまちで、どれが正しい数値なのか分かりません。漫画で1200億円、アニメーションで2000億円くらいではないかと見られます
さて、お金の話が長くなってしまいました
韓国が自慢するアニメーション、「ザ・ブーンドックス シーズン3」とは次のような作品です


キックベースボールでアメリカと中国のチームが死闘を繰り広げるという、どこか見たような内容です。画は好き嫌いが分かれるでしょう
原作はアメリカのコミックであり、版権を獲得してアニメ化したのはソニーです
つまり韓国の企業はアニメーションの制作のみを請け負い、配給には関与していません
コンテンツ産業の伸長を図るのであれば制作のみ請け負う体制ではダメで、配給も手がける必要があります。韓国メディアはしばしば、「日本のアニメーションは日本政府が売り込みを図ったから欧米で人気を得た」と書きますが、これは誤解であり、東映の担当者が地道に世界を回り売り込んだ結果です(「セーラームーン」などなどの東映作品)

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