「紅の豚」 18年目にしてイタリアで初上映

スタジオジブリの劇場版アニメーション「紅の豚」が制作から18年目にして、ようやく作品の舞台であるイタリアの映画館で上映された、と報道されています

ジブリの傑作『紅の豚』が作品の舞台イタリアでようやく上映

イタリア国内でもすでにビデオテープやDVDで発売されており、「いまさら」な感じはしますが
「映画館で日本のアニメーションが上映されても大した興行収入は稼いでいないのだから、日本のアニメーション人気なんてウソ」だとする報道に対し、当ブログで反論を書いたりもしました

記事「日本のマンガ、実は世界でウケてない」への反論

一部のデータだけ切り取って、「日本のアニメーションはウケていない」と断定するやり方はあざとすぎるばかりで、反論するのも恥ずかしくなってしまいます
具体的なデータとしてイタリアにおけるテレビの視聴率を挙げてみましょう
反論の中でも触れましたが、劇場版長編アニメーションの観客動員数や売上だけが日本のアニメーションの人気を測る指標ではありません。テレビでの視聴率も重要な指標の1つです
数字は古いのですが、ultimo spalpeenさんのブログにイタリアにおける日本のアニメーションの視聴率が載っています

イタリアで放送された日本アニメの視聴者数・占拠率
2006年10月27日
「ドラゴンボール」(Italia 1)…… 291万4000人 18.68%
2006年11月13日
「ケロロ軍曹」(Italia 1) …… 110万7000人 12.64%
「スポンジボブ」(Italia 1)…… 114万9000人 11.88%
2006年11月23日
「NARUTO」(Italia 1)…… 164万3000人 10.51%
「スポンジボブ」…… 94万2000人 9.97%
2006年12月4日
「ドラゴンボール」…… 318万7000人 19.28%
「ザ・シンプソンズ」(Italia 1)…… 272万5000人 18.52%
「NARUTO」…… 178万8000人 10.66%
視聴率とは別の占拠率という数値で表示されているので、ちょっと分かりにくい気はしますが、「ケロロ軍曹」が「スポンジボブ」と同じくらいの人気だと言えます
上記の数字は一部部分の情報に過ぎませんが、イタリアのテレビ放送の中で日本のアニメーションが重要なコンテンツである事実は確認できるはずです
2009年12月から2010年1月にかけて、イタリアのテレビ局では日本の劇場版長編アニメーションを連続して放送したとの情報もあります
12月10日
「攻殻機動隊」(1995年 押井守監督)―― Rai4 
12月17日
「イノセンス」(2004年 押井守監督)―― Rai4
12月18日
「ゲド戦記」(2006年 宮崎吾朗監督)―― Rai Due
12月24日
「東京ゴッドファーザーズ」(2003年 今敏監督)―― Iris 
12月24日
「時をかける少女」(2006年 細田守監督)―― Rai4
12月25日
「千年女優」(2001年 今敏監督)―― Rai4
12月28日
「ハウルの動く城」(2004年 宮崎駿監督)―― Rai Due
2010年1月3日
「メトロポリス」(2001年 りんたろう監督)
「スチームボーイ」(2004年 大友克洋監督)―― 共にItaila 1

なかなかシブい、通好みの選択です
さて、話を戻して「紅の豚」の劇場公開ですが、観客の反応がどうであったのか知りたいところです
シネマトゥデイにはその辺りも取材してもらいたいのですが

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