北川景子演じるプロファイラー「LADY ~最後の犯罪プロファイル」

TBSのテレビドラマ「LADY ~最後の犯罪プロファイル~」の第1回放送は視聴率が13.8%だったと報じられています

LADY :初回視聴率13.8% 北川景子が新人プロファイラー役で新境地開拓

自分もインターネットのTBSオンデマンド配信で視聴しましたが、放送時間の枠を拡大して、たっぷり観せる工夫がありました
初回放送で登場人物の紹介も兼ねているのですから、妥当な判断でしょう
本来は一話完結の構成のようですが、CMを除けば実質45分弱の中で事件が起き、これを解決させるのは無理があり、あれこれ詰め込みすぎてしまう危険が伴います
1つのエピソードを事件編と解決編に分け、2話完結にするのが理想ではないかと思うのですが
このドラマはアメリカの心理捜査モノを意識し、目指しているのでしょう。そのため従来の日本の刑事ドラマとは趣が違います。出演者がやたら多いのも特徴です
ドラマのアドヴァイザーには実際に警察でプロファイリングを手がけた桐生正幸(関西国際大学人間科学部人間心理学科教授)がいて、かなり本格的な姿勢が見られます
ドラマの中の犯罪行動分析室のメンバーは法医学者、地理学や統計データの専門家、などなど多様な顔ぶれで構成されています。1つの方法論だけでプロファイリングを行えば事件を読み誤るおそれがあるため、異なる方法論によるプロファイリングの仮説を突き合わせ、検討するのは当然です
北川景子演じる主人公香月翔子は犯人の抱いているファンタジー(幻想)を読み取るのに長けた精神科医、という設定です。しかし、前にも述べたように26歳という若い女性の役どころには無理があります
医学部は履修に5年かかるので、医師免許を取得した後、警察に入ってすぐにFBIでプロファイラーの研修を受けたとしても26歳という設定は無茶です
これでは精神科医としても臨床経験がほとんどない状態です
若い女優を主役に据えたいとの意図は分かりますが、設定通りの経歴からすれば主人公は28歳以上が妥当でしょう。どうしても北川景子を主役に起用するならば、香月翔子の年齢を28歳か29歳に設定すればよかっただろうに、と思うのですが
さて第1話の事件ですが、犯人から声明文が届く展開やその声明文の書き方などは神戸の連続児童殺害事件(いわゆる酒鬼薔薇事件)を下敷きにしたものだと分かります。この事件は日本で最初にプロファイリングが本格的に用いられたケースで、犯人は10代の少年と特定されたと伝えられています
しかし、主人公が捜査現場の最前線に駆けつけ、なおかつ犯人と直接対決する展開は、あくまでドラマならではでしょう。プロファイラーがそこまででしゃばって良いのか、と思ってしまいました
事件を読み解く香月翔子の思考の展開もちょっと飛躍しすぎて、筋道をすっ飛ばしている(結論ありき、の展開)感がありますが、エンターティメント作品としてはこれでよいのでしょう

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