英国女性殺害 市橋容疑者の憂鬱

英会話講師をしていた英国人女性を殺害し、2年半も逃亡を続けていた市橋達也容疑者の公判整理手続が終りを迎え、5月にも裁判が始まる見込みだと報道されています
事件が起きたのが平成19年ですから、裁判が始まるまで随分と時間がかかってしまいました
公判整理手続で市橋容疑者側は、リンゼイさんの首を絞めた事実は認めるものの殺意はなかったと主張し、強姦殺人ではないとする立場を貫くようです
強姦殺人となれば死刑判決もあり得ますから、それを避けるのが最大の狙いなのでしょう
それにしても整形手術をして顔を変えてまで、2年半も逃げ回った執念には呆れます。ニート生活を続けた無気力な若者の代表格のような市橋容疑者に、肉体労働者になってまで逃亡生活を続ける根性があったのですから
その根性をもっと有意義な方向で使うつもりにはなれなかったのか、と言っても無駄なのでしょうが
逮捕直後は黙秘を続け、食事も摂らない徹底抗戦を続けるなど、責任逃れのためにその根性を発揮していました
裁判になっても態度は変わらず、最高裁で判決が確定するまでこの先10年近く、自らの責任から逃れるために闘い続けるつもりと推察されます
裁判が始まっていない段階で判決に言及するのは避けるべきでしょうが、最近の裁判の例を見ると無期懲役の可能性が強いと感じます
以前にも書いたのですが、「無期懲役になっても10年服役すればシャバに出てくる」と触れ回る人が世の中にはいて、あたかも簡単に仮釈放されるかのような誤解が広がっています
しかし、法務省大臣官房司法法制部の統計調査では、無期懲役刑の受刑者の平均在所年数は30年2ヶ月に達しており(2009年の報告)、10年で仮釈放という実態はありません。特殊な事例で早期に仮釈放になったケースがあったのかもしれませんが、多くの無期懲役刑服役者は30年近く刑務所に入っているのが実態です
この「(無期懲役刑でも)10年服役すればシャバに出てくる」説の大元は、光市母子殺害事件の被告が書いた手紙(5年+仮で8年、と書かれ少年なら無期懲役でも5年から8年で仮釈放されると勘違いしている内容)に由来すると思われます
頭の良い市橋達也容疑者ですから、無期懲役になった場合の服役期間については弁護人から正確な情報を得ていると思われますので、光市母子殺害事件の被告のような勘違いはないでしょう
つまり市橋容疑者はいかに責任逃れに徹したところで、自分には30年もの刑務所暮らしが待っているのを理解しており、それでも抵抗せずにはいられない状況に追い込まれている、と自分は解釈します
それが「市橋容疑者の憂鬱」とタイトルをつけた所以です

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