奈良同級生殺人7 法廷イラスト問題
奈良県桜井市の鉄道駅で男子高校生を刺殺した事件ですが、判決は11月に言い渡さ
れ、懲役5年以上10年以下の不定期刑にするとの決定でした
しかしその判決とは別に、新聞社が少年の横顔を含むイラストを掲載したのが問題とな
り、奈良地方裁判所の裁判官は「一切のイラストは認めない」とする強硬措置に出たた
め別の騒動になっています
法廷での写真撮影を認めない代替措置として、新聞社がイラストを描き紙面に掲載する
のを認めてきた慣行を否定する暴挙でしょう
少年法の規定にあるからといってイラストの掲載まで否定するのは行き過ぎであり、裁
判官の職権乱用でしょう
そもそもイラストでは少年の顔立ちをはっきり描かない配慮がされているのですから、イ
ラスト掲載が少年の更生の妨げになるとは断定できません
イラストが掲載されようとされまいと、少年が人を殺害した事実は消えませんし、隠せる
ものでもないからです
更生のためなら殺人を犯した事実を隠蔽し、名前を変えて別人になりすまして社会復帰
させるべきなのでしょうか?
そうは思いません。たとえ刑務所で刑期を終えても、人を殺した事実は生涯ついて回る
ものであり、その責任を背負い続けるべきです(それが罪を背負い、一生をかけて償う
という形だろうと考えます)
そんな罪と罰の有り様を巡る議論とは無関係のところで、裁判官が無用の騒ぎを起こし
てしまった形です
前回も書きましたが、少年は広汎性発達障害とされ、犯行時は責任能力の一部が減衰
していたと判決でも認めたれたようです
事件を注視している国民、とりわけ発達障害とされるこどもをもつ親御さんや、学校関係
者が知りたいのは、この少年がなぜ殺人を犯すに至ったのかという経緯であり、発達障
害がどこまで殺人という行為に影響し関わりを持っていたかでしょう。さらにはこの少年
の心の中で何が起きたのか、です
少なくとも少年の顔写真やイラストを国民は期待しているのではありません
裁判官はとんでもない思い違いをしています
(関連記事)
奈良同級生殺人を考える 1
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奈良同級生殺人を考える 6 広汎性発達障害
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「親の愛情不足で発達障害」 大阪市条例案の偏見
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