市川海老蔵降板 代役は坂東玉三郎
事件の決着も付いていない市川海老蔵ですが、無期限謹慎の身ながら早くも来年５月復帰説が飛び交っています
それに先立つ、来年１月からの興行「初春花形歌舞伎」（東京・銀座のル・テアトル銀座）も海老蔵は降板し、代役として坂東玉三郎を看板にすると報じられています（現在、東京の歌舞伎座は新しいビルに建て替えるため閉鎖中です）
海老蔵すがって泣いて玉三郎代役１月公演
「坂東玉三郎が市川海老蔵を弟のようにかわいがっていた」のは初耳ですが、立場からすれば対称的な２人です
市川海老蔵が歌舞伎の名門の御曹司なら、坂東玉三郎は歌舞伎界ではなく料亭の息子です。小児麻痺の後遺症で足の動きが不自由であったため、リハビリのため日本舞踊を学んだという努力の人でもあります
養子縁組によって歌舞伎界に入った玉三郎ですが、女形としては背が高すぎて他の役者とバランスが取れないと批判されたりもしました（１７３センチ）
そのため立ち姿で演技をしたり舞うときは膝を曲げ、実際の身長より１５センチくらい低く見せる工夫をしていると聞いたことがあります
若くして歌舞伎界のスターとなった坂東玉三郎ですが、それがかえって歌舞伎界から嫉妬を招いたのかもしれません
当代随一の女形と言われた六代目中村歌右衛門からも手厳しい批判を浴び、人気の割には歌舞伎界での地位が定まらなかったとも言われます
ちなみに六代目中村歌右衛門は生涯女形を演じた人ですが、若い頃は付き人の男性と駆け落するといった趣向の持ち主です。歌舞伎と舞踊だけに取り組み、映画やテレビドラマに出演しようとはしませんでした。だからこそ、歌舞伎だけでなく映画や現代演劇に出演する坂東玉三郎を許せなかった、という気もします
さらに付け加えると、中村歌右衛門も生まれつき足に障害があり、数度の手術を経てようやく歩けるようになったという経緯があります。当代一の女形と言われながらも終生、その左足の動きは不自由だったと言われますから、小児麻痺を克服した玉三郎の努力を一番理解していたのは歌右衛門だったのかもしれません。もちろん、そんなことは決して口に出さなかったのでしょうが
坂東玉三郎入魂の「藤娘」を御覧ください（英語のナレーションが少々邪魔かもしれませんが）
それにしても市川海老蔵は兄のように接してくれる坂東玉三郎から何を学んだのでしょうか？
歌舞伎界のプリンスとして、市川宗家の息子として自分１人だけが重荷を背負わされていると勘違いし続けてきた若者（バカ者？）かもしれません
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