石原都知事「同性愛は遺伝のせい」発言
数々の放言、失言で有名な石原慎太郎都知事が「同性愛は遺伝のせい」と発言し、物議を醸しています
石原都知事:同性愛者「やっぱり足りない感じ」
性表現を巡り、「漫画を規制すべき」と陳情するPTA団体との会談の後の取材で出た発言だそうです
石原慎太郎の発言の意図は記事にあるように、「同性愛者は気の毒」であり、「テレビなどで取り上げるべきではない」との考えによるものでしょう
また、「同性愛は遺伝のせい」と70歳過ぎの老人が信じ込んでいる以上、この考えを改めさせるのは容易ではなさそうです
人の心の中にある思い込み、確信はそれが事実ではないと証明するデータや学説をぶつけたところで、なかなか訂正できるものではないからです
石原慎太郎の思い込み、偏見を批判するのは他のメディアに任せるとして、当ブログでは同性愛の由来について考えてみたいと思います
精神鑑定の第一人者である福島章の名は当ブログでもしばしば登場しており、ご存じの方も多いでしょう
福島章の講演を聞いた際、「人間の脳にも性別があるのではないか」とする説を唱えているのを知りました。詳細ははぶきますが、男性の体を持って生まれても脳が女性である場合や、女性の体でも男性の脳を持って生まれた場合は性の不一致が起きる、とする仮説です
この仮説は福島章の専売特許ではなく、海外にもこうした説を展開している人がいます
同性愛を説明する理屈としては使えるのかもしれませんが、批判も多々あります
同性愛者は必ずしも性同一性障害ではありません。性同一性障害の場合、自分の性や自分の体を拒絶します
しかし、同性愛者の中には男性という肉体を受け入れ、男性のまま男性を愛するケースがあり、必ずしも自分の性や自分の肉体を拒絶しているわけではありません
いまのところなぜ人が同性愛者になるのか、明確な根拠はないのです
染色体異常による性的特徴の異常はクラインフェルター症候群として知られています
クラインフェルター症候群(男性の性染色体は「XY」であるがこれが「XXY」や「XXXY」であるケース)の男性が必ずしも性同一性障害の症状を呈するわけではなく、ましてや同性愛者になるわけでもありません
自分が学生の頃、クラインフェルター症候群は100万人に1人という稀有なケースだと教えられた覚えがありますが、最近では新生児で2000人に1人くらいの割合で存在すると言われるようになっています
ですから遺伝子の異常が同性愛を引き起こすと断定するには、もっと別な根拠が必要になります。何が脳の性差を決定付ける因子なのか、解明する必要があります
ちなみに福島章は石原慎太郎の熱烈な信奉者であることも知られており、二人の間には共通する価値観なり人生観があるのでしょう
勝手に憶測すれば、石原慎太郎は福島章の「男性脳、女性脳」説を知り、我が意を得たりと思って、「同性愛は遺伝の異常により、男性の体に女性の脳が宿った結果だ」と思い込んでしまったと考えられます
精神鑑定の第一人者として多大な功績のある福島章ですが、その主張するところがすべて正しいというものではなく、仮説はあくまでも仮説にすぎないと受け止めるべきでしょう
さて、テレビがマツコ・デラックスなど女装愛好者や同性愛者を面白おかしく取り上げ、それを石原慎太郎が批判するのは相応の理由があるのでしょう。その話と、「同性愛は遺伝のせい」だとする誤解、あるいは偏見はまた別の問題だと自分は思います
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