NHK「龍馬伝」平均視聴率18.7%でも不評
福山雅治が坂本龍馬を演じたNHKの大河ドラマが最終回を迎えました
最恋視聴率は龍馬暗殺直後の、愛媛県知事選挙当確のテロップが画面に映し出された時で25.7%でした
龍馬伝 :最終回視聴率は平均21.3%、最高は暗殺直後の25.7%
インターネットの掲示板「2ちゃんねる」では、「龍馬伝より愛媛県知事選挙のテロップの方が視聴率が高かった」と皮肉る声が出ています
重要なニュースについてはドラマ放送中でも速報としてテロップを入れるのが公共放送であるNHKの使命ですから、これを批判するのは筋違いでしょう
平均視聴率は18.7%であり、「天地人」の21.2%に及ばなかったそうです
戦国トレンディドラマであった「天地人」の方が人気というのは不思議な気もしますが、民放の「月9」ドラマが視聴率13%台の時代なので「龍馬伝」の18%は大健闘でしょう
三菱財閥創設者岩崎弥太郎の視点から坂本龍馬を描く漸進な試みでしたが、それがメリットになった部分もあれば、デメリットになったところもありました
薩摩と長州、幕府を相手に活躍する龍馬に対し、強烈な羨望と嫉妬を抱く岩崎弥太郎の存在は幕末の男たちの姿そのものでしょう
日本の行く末を思い命がけで行動した志士たちにしても、功名心や私利私欲はあったわけで、その部分を正面から描いたのは幕末物ドラマとしては秀逸でした
もっとも、私利私欲に駆られて動く若い志士たちの生々しい姿に嫌気を覚えた視聴者もいたのでしょうが
薩摩や長州の志士たちの多くは貧しい藩士の出身であり、旧来の幕藩体制が続く限り彼らに出世の芽はありませんでした。親が貧しい藩士の身分なら、こどももそのまま僅かな俸禄に甘んじるしかなかった時代です
エネルギーを持て余している若者には我慢のならない現実だったのでしょう
時にその功名心や野望が鼻につくのは仕方がないと思います
ドラマに対する批判として、龍馬の成長を描く前半が長すぎる反面、幕末激動の中で龍馬が活躍する後半が短すぎるとの声がありました。「幕末もの」は重要な事件・エピソードが山盛りですから、何を取り上げて何を省略するかは脚本家・演出家の頭を悩ませる問題です
あまり手を広げると、登場人物も増えて制作費もかさみます。いかに大河ドラマでもエピソードを絞り込むしかなかったと言うほかありません
土佐藩内のドロドロした人間関係の描写に時間を割きすぎた、と自分は思いますが
今回の大河ドラマ「龍馬伝」は大傑作とまでは呼べませんが、力作だったと評価しておきます
現在世間を騒がせているところの「バカな歌舞伎役者」が演じた宮本武蔵よりは、上々の出来でした
さて、来年は上野樹里が主役です。長丁場の撮影にたえられるのか心配です。途中で降板するような騒ぎにならなければよいのですが
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