男女53人参加の乱交パーティー摘発

10月に香川県の温泉地にあるロッジで乱交パーティーを開催したサークルの主催者や参加者が摘発されたと報じられています

【衝撃事件の核心】淫らな社交の場と化した温泉郷 香川・乱交パーティーの実態とは

記事によればこの大規模な乱交パーティーは偶発的に開催されたものではなく、乱交愛好者によって組織されたサークルが準備し、参加者を募ったものだと分かります
ホームページが閉鎖されているそうですから、どのようなサークルだったのかは報道を介して推測するしかありませんが、実際にこうした活動をしている人達がいるのだなと驚かされます
乱交パーティーが風紀を紊乱する犯罪であるのは言うまでもありません。取り締まって当然です
ですが、乱交パーティ参加者を単に「スケベ」だとか、「好きモノ」と決めつけて終わるのは表面しか見ていないと指摘しておきましょう
精神分析の症例の中には、こうした「不特定多数の異性相手に性交しなければならない」という強迫に駆られた男性や女性を見ることができます
前にも言及した「東京電力OL殺害事件」でも、殺された被害者は東京電力に勤務するOLながら夜は場末のアパートで売春婦もどきの生活をしていた人物です。自分の推測ではこの女性も上記のような、「不特定の男性と性交しなければならない」との強迫観念にとらわれていたのだろうと考えます
もちろん今回の乱交パーティーの参加者が全員そうだと決めつけるつもりはありません
が、中には自分でそれと自覚しないまま衝動に駆られて「乱交」の場に加わっていた人間がいたかもしれません
精神分析家岸田秀は評価の分かれる人物ですが、精神分析の本質を直観的に把握していたのだろうと思われる人です。岸田秀は人間の欲望について、「欲望とは欲望についての説明(物語)である」と述べています
つまり上記のように、「不特定の男性と性交しなければならない」との強迫観念は欲望そのものではなく、欲望の説明(物語)だと考えるわけです
本当に欲しているもの(欲望)が何であるのかはともかく、そこへ至るまでの過程としてさまざまなシチュエーションを思い描き、自分が不特定多数の男性に弄ばれ、蹂躙され辱められる物語を心の内奥で練り上げている女性がいても不思議はありません
その衝動を抑えられなくて乱交パーティーに参加したり、出会い系のサイトで見ず知らずの男性とセックスをしようとする女性もいるわけです
だからといって乱交を奨励するつもりはありません。犯罪に巻き込まれたり、ひどい罪悪感に悩まされ自己嫌悪に陥るケースもあると予想されます
「性欲は人間の本能だ」と言う人がいます。しかし、これは間違いです
空腹ならば食べ物を求めますが、セックスの場合、ほとんどの人は相手を選びます
男性はセックスをしたくない相手に対して勃起しないときがあります。これも相手を選り好みしているからであり、性欲が本能ならどんな異性相手にでも勃起しセックスが可能でないと説明がつきません
つまり性欲は本能ではなく、非常に観念的なものなのです。そのもっとも顕著な例がサディズムやマゾヒズムでしょう。ムチで叩かれるのは苦痛でしかないのですが、特定のシチュエーション(物語)の中ではそれが快楽になります。物語抜きでは快楽には成り得ないのです
こうした物語を読み解き、なぜ衝動に駆られるのか、その行動の意味を明らかにするのが精神分析です

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