韓国政府「ノーベル賞プロジェクト」開始

韓国政府が科学分野でのノーベル賞獲得を目指し、国家プロジェクトを始めると報道されています
記事は韓国語なので2ちゃんねるに貼られていた日本語訳を引用します


韓国政府、「ノーベル科学賞受賞プロジェクト」を稼働
イ・ミョンバク大統領は19日、国家教育科学技術諮問会議を主宰した席で「G20国家の中でノーベル科学賞を受賞できない国は我が国を含んで6ヶ国しかない」と話した。
科学技術が次世代成長動力と言うが、充分な支援がなくて国力が伸びたにも関わらずノーベル科学賞受賞者を輩出できなかったとのことだ。
これに伴い、政府は20~30代の若い科学者を集中支援することにした。
特に政府は修士.博士過程を終えた後の5年に注目した。(中略)この時期は死角地帯だというのが大統領府の説明だ。
支援期間を5年に定めたのはこれ位の期間人件費と研究費を支援すれば1個のプロジェクトを終えることができるためだ。ずっと任用するかについては大学や研究所裁量に任せることになる。
このように有能な科学者が初期に席を占めるところまで支援することによって高級人材が死蔵せずノーベル賞受賞まで続くようにしようということだ。
(後略)


過去に何度も同じような政策をやっていたように思うのですが・・・
5年間に限って研究費を助成する制度でノーベル賞に値する研究成果を出せ、という随分と近視眼的な制度です
目先の利益しか考えようとしない韓国らしい制度です。結果が期待できるとは考えられません
なぜ5年なのかが疑問です。記事では、5年間研究費と人件費を支援すれば1つの研究が完了するから、と理由を挙げていますが、本当にそうなのでしょうか?
ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東京大学名誉教授の場合、岐阜県神岡の鉱山跡に「カミオカンデ」を建設し、大マゼラン星雲での超新星爆発で放出されたニュートリノを検出していますが、「カミオカンデ」の構想から建設、ニュートリノ検出まで10年を費やしています
ちなみの「カミオカンデ」の後継である大型のニュートリノ検出装置「スーパーカミオカンデ」は建設費が104億円です
数百万円程度の研究費助成でノーベル賞を取ろうとする韓国政府の発想は、現実を無視していると言うほかありません
現代ではあまり名前が取り沙汰される機会がなくなりましたが、世界に知られた数学者岡潔(1901年生まれ、1978年没)は約20年ほどかけて「多変数解析関数」という幾何、代数、解析を統合したが現代数学の分野を1人で切り拓く業績を挙げた人物です
研究に専念するため大学の助教授を辞め、一時期は故郷の奈良に篭もり農業で生計を立てながら、前人未到の数学の分野を開拓する偉業を成し遂げました
科学分野の研究はこのように10年、20年という息の長い取り組みが必要です
繰り返しになりますが、「5年間だけ研究費を助成するからノーベル賞を取れ」とする発想で何を成し遂げられるものか、韓国政府とそのブレーンである科学者たちはとんでもない勘違いをしていると言わざるを得ません

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