上海高層マンション火災 死者58人
今月15日、中国の上海市で28階建てマンションが燃える火災が発生し、58人が亡くなり、いまだ行方不明者が50人以上という惨事になりました
上海といえば浦東地区に立ち並ぶ高層ビル群が繁栄の象徴とされているのですが、防災という観点からは実にお寒い状況だと分かってきました
サーチナが火事の消火作業が遅れた原因について記事にしています
上海のビル火災 4時間も燃え続けた原因は一体何か?
現場には45の消防チーム、122台の消防車、1300人以上の軍人が駆けつけた、と紹介されていますが、高圧放水車はたった1台しかなかったと明かされています
他の消防車ではビルの5、6階までしか水が届かず、上層階の消火作業ができなかったのでしょう。結果として隣の高層マンションから放水して消火させました
あれだけ高層ビルが林立している上海で、高層建築物への消火対応がこれだけお粗末であり、各建物に対する防火管理の指導も不徹底なのだろうと思わせます
マンションは塗装工事中のため、燃えやすい竹製の足場とビニールシートで全体が覆われていたのも火災を拡大させた原因の1つです
また、別の報道では現場に燃えやすい発泡スチロール製の断熱材が大量に存在したと指摘されています。どうやら工事は単なる外壁の塗装ではなく、外壁に発泡スチロール製の断熱材を貼りつけるものだったのでしょう
燃えやすい断熱材を建物の外壁に使用するなど狂気の沙汰ですが、中国では平気で行われているようです
韓国の釜山でも38階建ての高層マンション火災が発生しており、当プログでも言及しましたが、燃えやすい発泡スチロールにアルミニウムを蒸着したフィルムを貼りつけてミラー状にした外壁材で建物の外側を覆っていました
日本の消防関係者なら目をむいて激怒するでしょうが、危険な工法も中国や韓国では当たり前のように採用されています
上記の上海のマンションではスプリンクラーも設置されておらず、防火という概念が抜け落ちていたようです
上海市内やその他の地域でもこうした防火対策をまったく講じていない高層ビル、高層マンションだらけなのだろうと思われます。ですから、今後ともこうした高層建築物の大規模な火災が相次ぐと予想されるところです
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