秋田市の弁護士刺殺事件 警察対応の不手際

秋田市で弁護士に恨みを抱いた男が明け方、弁護士宅に侵入し刺殺する事件があった

のですが、通報を受けて駆けつけた警察官2人は侵入した犯人と弁護士を取り違え、弁

護士を組み伏せようとしたと判明しました

警察官が2人がかりで弁護士を抑えつけようとし、動きを封じたところを犯人は好機と捉

え刃物を構えて突進し、刺殺したという事件です

秋田県警は対応に不手際があったと認め、謝罪しています

秋田県警、誤認を認める…凶器確保は正当と釈明
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101105-OYT1T00962.htm

家人の通報で駆けつけた警察官は、何が起こっているのか把握できないまま家の中に

入らなければなりませんし、家の住人である弁護士の顔を見知っているわけでもありま

ん。犯人と間違えて取り押さえようとしたのも無理からぬところがあります

しかし、「やむを得なかった」で片付けられない部分もいくつかあります

現場に急行した警察官は刃物からの攻撃から身を守る防刃衣(ベストのような形状をし

た防護衣)を着用していませんでした

つまり110番通報を受けて出動する際、「刃物を持った男が暴れている」状況をまった

く想定していなかったと分かります

「家の中に誰かが入り込んでトラブルになっているらしいが、自分たち警察官が駆けつ

ければすぐに解決する程度の問題」だと、事態を軽視していた可能性が濃厚です

警察官が緊急に出動する際は人命に関わるケースも想定し、防刃衣を着用するのは

当然と思うのですが、秋田県警ではそうした指導もされていなかったのでしょう(これだ

から田舎の警察は・・・と言われてしまうのです)

この事件で逮捕された犯人は刃物(剪定鋏)だけでなく、拳銃まで所持していました

最悪の場合、弁護士だけでなく警察官も射殺されていたかもしれません

最近はどうなっているのか知りませんが、一時期東京ではJRの駅や地下鉄の駅に警

察官が立ち、「テロへの警戒」に当たっていました

もちろん駅に出入する人間の中からテロリストを見分けるなど困難であり、「警察が警

戒しているぞ」と示すパフォーマンスなのですが。それでも駅構内に立っている警察官

は防刃衣を着用していたと記憶しています

警察官がそこにいる、という事実がテロ行為を抑止する効果をもたらすと考えるのなら

ば、都内の主要な駅に大勢の警察官を配置するのも無駄ではありません

地下鉄サリン事件の苦い教訓を疎かにすべきではないと思います

繰り返しになりますが、110番通報で現場に駆けつける警察官は詳しい事情もわから

ないまま、いきなり事件の中に立ち入るのですから判断を誤れば人命にかかわります

十分な装備と心構えで出動してもらいたいものです

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原田 宏二

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