詩の盗作を繰り返した女子中学生 その3
秋田県の女子中学生が盗作した詩をコンクールに応募しまくっていた事件の続きです
日刊ゲンダイがこの事件を取り上げています
最年少“懸賞金稼ぎ”か
コンクールに入選していくら稼いだのか、を推測している記事です
要するに女子中学生の犯行は金目当てだったとの見方が根底にあって、この記事を書いているのでしょう
原文の記事では、「女生徒の手口はいたって簡単。『プロ詩投稿城』というネットの投稿サイトからコピーして応募していただけだ。これで数万円が手に入る上、新聞などにインタビュー記事が載るのだから、すっかり味を占めたに違いない」とあります
いかにも日刊ゲンダイらしい底の浅い見方であり、事件の意味など考えてもいないのがありありと伝わってきます
中学生が浅知恵で金目当てに盗作を繰り返した、と決めつけそれ以上深く考えようとはしない態度です
ですが、こうした見方がおそらくは世間一般の受け止め方なのかもしれません
彼女の周囲がこの事件にどう対応しているのかは不明ですが、受賞辞退の申し出は彼女の親がやっているようですし、中学の校長は「学校とは無関係な出来事」という態度であり、事態を掘り下げて追求し検討しようとする姿勢はないのでしょう
つまり学校側は生徒個人の問題だとして彼女の家庭に対応を任せっぱなしにし、介入も指導もしない構えだと推測されます
彼女の両親はパニック状態で、いかに事態を沈静化すべきかその方法も分からないまま右往左往しているのかもしれません。彼女が応募し、入選・入賞をしたコンクールの事務局に電話するなり、手紙を書くのもやっとという状態ではないかと懸念されます
その結果、彼女自身の抱える問題(仮説として、彼女が内に抱えていると見られる問題については先の記事であれこれ書きました)は省みられる機会もなく、放置される可能性があります
別の情報によればこの女子中学生は成績優秀な生徒のようですから、学校でも問題児として扱ったりはしないでしょう。彼女が心身の不調を訴えない限りスクールカウンセラーも介入しないと思われます
学校でのいじめや中高生の自殺の際には、「サインを見逃すな」と繰り返し指摘されるのですが、今回のような事態を周囲が静観し、介入しないでいるのもどうか、と言いたくなります
今回の事件が家庭の責任なのか、学校の責任なのか議論するのは不毛な行為です
いま介入しないで、いつ介入するつもりなのか、と問わなければなりません
さて、日刊ゲンダイの記事では女子中学生が「プロ詩投稿城」というネットの投稿サイトからコピーしていただけと書いていますが、ところどころ手を入れ、直していたりします
「第14回詩のまち前橋若い芽のポエム 中学生の部」で金賞だった彼女の詩は以下のようなもので、秋桜百合子の「十四歳」をパクったものです
今なら恥かしくもなんともない
少し腰の辺りで折りたたんだ
膝下の紺のプリーツが
大きく深呼吸する
よろこびのように
大きく膨らんでいく
駆け抜けなければならないほどの
熱い衝動
わたし中学生
真珠のような汗できらめいている
若さは財産だと人は言う
ときめきの赤いタイが
脈打ち早くなる
赤い心臓のように
大きく飛び跳ねている
胸から飛び出してきそうだ
水面のきらめきのように
輝いている
淡い一瞬
流星のように突き抜けて
たとえガラスをぶち破っても
「いまなら恥ずかしくもなんともない」と書いていますが、十分に恥ずかしいのでは?
ちなみにパクられた元の詩、秋桜百合子の「十四歳」の方が躍動感があり洗練された詩です
「プロ詩投稿城」 秋桜百合子の「十四歳」
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