日本人は◯◯型というウソ

人間を右脳型か、左脳型かと2分して論じるのにどれだけ意義があるのかは疑問です
同じように、「日本人は〇〇型で、中国人は△△型」などという比較文化論も概ね、見当違いな論議になりがちです
日本人といっても、そこには多様な価値観や人生観があるわけですから、それを無視して、「日本人は◯◯型」などと決めつけるのは無茶な話です
いつも変な記事を掲載する中国メディアですが、レコードチャイナによる日本の紙幣と文化に関する話題を取り上げます

お札に「文化英雄」を刷る日本人の素養の高さに感銘

記事を書いているのは上海のシンクタンク、上海社会科学院の副研究員だそうです
リニアモーターカーも高層ビルも中国には既に存在するので、日本のハイテクを見ても驚きはしないのだ、と豪語しています
しかし、日本の紙幣には文化人の肖像画が使われているので驚いた、と書いているのですが、突っ込みたいのはそこではありません

その真面目さは日本製品の「細かい心配り」にも表れている。例えば、化粧品は男性用、女性用、50代用、30代用など細かく分類。
赤ちゃんに水銀の体温計を使わせないために1秒で測れる耳式を、ドライヤーの電磁波を避けるために超吸収タオルを考案するなど、多岐に渡る。
実は今回の日本行きで最も印象深かった点は、日本人ご自慢の先端技術ではなく、日常生活からにじみ出る国民の素養の高さだった。

何を言っているのでしょうか?
最新式のデジタル体温計にしろ、超吸水性のタオルにしろ、これらは日本の先端技術の産物なのですが・・・
この社会科学院の研究者は、新幹線や東京都庁ビルが日本のハイテクだと思い込んでいるだけで、目の前にある超吸水性タオルの価値やそこに使われている技術はまったく理解出来ないようです
ちなみに新幹線の技術とは車両単体の性能で語るべきではなく、時速200キロを超える高速列車を5分ごとに発着させ、しかも安全に運行させているシステム総体として語るべきものです
この程度の稚拙な見識しか持たない人間が上海のシンクタンクの研究員をしているのですから、中国人の素養に低さを自ら証明しているようなものです
ついでに言うと、日本の紙幣にもさまざまな先端技術が使われているのですが、この研究員には見えないのでしょう
見えないまま、見ようとはしないまま日本文化や日本社会についてあれこれ語るのは不見識にもほどがあり、恥をさらすだけです
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