ノーベル文学賞候補 村上春樹は選ばれるか
秋の風物詩、ノーベル賞の季節がやってきました
前回は山中京都大学教授ら、科学系の候補者について書きましたので、今度は文学賞の話題です
文学賞の有力候補者とされる人物の名前が挙がっています
詩人の評価は微妙なところです。その詩が広く世界で読まれ、親しまれているという例はほとんどなく、特定の国、特定の言語の世界で著名という場合が多いためです
最有力候補は地元スウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメルでしょうか?
ノーベル賞は発足当時、スウェーデンのローカルな賞でしたので圧倒的にスウェーデン人の受賞者が多かったのです
韓国の詩人高銀については、以前に「受賞確実だ」と国を挙げて大騒ぎをした顛末について触れました
ノーベル文学賞を熱望する韓国
小説家では日本でも知られているアントニオ・タブッキと村上春樹の名が挙げられています。ヨーロッパでの知名度からすればタブッキが上でしょう
日本からは川端康成、大江健三郎がノーベル文学賞を受賞していますが、安部公房も有力候補とされながら亡くなったため受賞を逃しています
候補者のリストについては50年間伏せられる決まりだそうです
つまり50年より前は候補者リストが公開されているわけで、文学賞には賀川豊彦が1947年と1948年に候補に挙がっていたと判ります
「誰?」と思う方も少なくないでしょう。自分もどんな人物か知りませんでした
Wikipediaを参照して加賀豊彦がどんな人物かたどってみました
プリンストン大学に留学してキリスト教神学を学び、社会改良家として貧困問題や被差別部落問題に関わり、神戸生協の創設にも尽力したそうです。自伝小説「死線を越えて」がベストセラーになり、その印税は社会運動に注ぎ込むという徹底ぶりでした
上記のように2度、ノーベル文学賞候補に挙げられているほか、1954年から3年連続でノーベル平和賞の候補にも挙げられています
ただ、加賀は優生学にも傾倒しており、遺伝による病気はこれを断つべきだとの考えを唱え、ハンセン病患者の断種・淘汰を進める活動にも関わっていました(当時、ハンセン病は遺伝によるものと考えられていたため)
加賀のキリスト教による社会改良活動というのが、ノーベル賞の候補者を選定する人たち(そのほとんどがキリスト教徒ですから)に好印象を与えたのだろうと推察されます
話をノーベル文学賞候補者に戻しましょう
公開された候補者リストから、これまでに小説家谷崎潤一郎と詩人西脇順三郎が候補になっていたと判明しています
もちろん候補者で終わるのと受賞するのとでは雲泥の差がありますので、今年こそ村上春樹にノーベル文学賞をとってもらいたいものです
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