マドンナのストーカー 1週間で2度逮捕

シネマトゥディ配信のニュースによれば、マドンナのストーカーをしていた元消防署員の

男性が1週間に2度逮捕された、とあります
http://www.cinematoday.jp/page/N0027122

前後のいきさつが書かれていないので不明ですが、2万ドル(約170万円)の保釈金を

払って保釈されたのでしょうか?

それでもこの男性がストーカー行為を続けて逮捕されたのなら2万ドルの保釈金は没収

され、実刑が課せられるはずです

「僕はここにいる権利がある。これは警察の蛮行だ。僕は悪いことはしていない。1992

年にマドンナを見かけて、ぜひ彼女ときちんと顔を合わせて会いたいんだ。マドンナにち

ゃんと会えるまで絶対にあきらめない。自由になったら、すぐにここに戻ってきてやる」と

宣言しているそうですが、凶器となりうるアイスピックを所持していたのですから危険な行

動に出る可能性は十分に考えられます

記事は「ちょっとイカれた男」のような扱いをしていますが

日本の場合なら派出所に任意同行し、警察官がお説教をして終わりにするところかもし

れません

現場の警察官がストーカー行為を犯罪だと認識していないためでもありますし、警察が

お説教すればそれで恐れをなし、ストーカー行為を止めると誤解しているためでもありま

す(警察の権威・威信が低下していることを警察は認めたがらないのです)

そして何よりストーカー犯の心理を理解していないのが、ストーカー犯罪軽視の最大の

要因でしょう

ストーカー犯が皆、精神異常者というわけではありませんが、だからといって「話せば分

かる相手」だと決めつけるのは間違いです

警察官のお説教でストーカー行為を止め、改心できる人物ばかりではありません

むしろ警察官の説教など「ハイ、ハイ」と聞き流すだけで、ストーカー行為を続ける者もい

るのです

強迫神経症をモデルに考えれば、本人がそれと自覚しない原因によって「つきまとい」行

為に駆り立てられ、止めることができないのです。不潔恐怖の男性が手洗いを止められ

ないように

上記の記事にある男性がマドンナに執着し彼女を追いかけ回しているのは、熱心なファ

ンだからという理由だけではなく、マドンナというイコン(象徴)の向こう側に自分の欲望を

刺激する何かを見ているからです

この男性の生い立ち、経歴、家庭環境が分からないので何とも言えませんが、勝手に推

測するなら母親に対する性的な幻想をマドンナという媒体に見ている可能性があります

ですから「ストーカー行為は法律によって禁止されている」と説教するより、男性を駆り立

てている衝動の正体を解き明かし、強迫から解放する方が効果的です

もちろん、彼がそうした分析結果を受容し、自らを解放したいと考えるかどうかは不確定

です。幻想に執着し、それを手放すまいとする神経症患者もいるのですから

さらに付け加えておくと、すべてのストーカー犯罪が神経症のモデルで説明できるわけで

はありません。石巻で交際相手の女性宅へ押しかけ殺害しようとした事件のように、人

格障害として考えるべきケースもあります

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