ヴェネチア国際映画祭 ソフィア・コッポラ監督に栄冠

第67回ベネチア国際映画祭が9月11日、ソフィア・コッポラ監督の最新作「Somewhere(原題)」が最高賞となる金獅子賞を戴冠して幕を閉じた。日本から参加したトラン・アン・ユン監督の「ノルウェイの森」、三池崇史監督の「十三人の刺客」は、受賞を逃した。
クエンティン・タランティーノ審査委員長は、かつてコッポラ監督と交際していたことがある一方、三池監督の「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」にカメオ出演するなど、三池作品のファンとしても知られていた。
それだけに“近しい友人たち”の参加するコンペ部門の審査は困難だったのでは、という声も聞かれたが、本人は受賞後の総括会見で公私混同を断固否定。「ベストなものが賞を取った結果。金獅子は審査員全員の満場一致。賞には限りがあるのですべての映画に賞をあげるわけにはいかなかった」と締めくくった。
授賞式では金獅子賞を発表する瞬間、感極まった様子で「ちょっと待ってくれ」と息を詰まらせていた。発表後、コッポラ監督が登壇すると熱い抱擁を交わしていた。
(映画・Comの記事から引用)

記事にあるように第67回ヴェネチア国際映画祭は、金獅子賞をソフィア・コッポラ監督が獲得しました
ソフィア・コッポラ監督は言うまでもなくあのフランシス・フォード・コッポラ監督の娘であり、アカデミー賞では脚本部門で賞を取るなど、新進の女優映画監督としても注目されている存在です
もちろん今回の映画祭がイタリアであり、イタリア系アメリカ人監督として映画界に君臨するフランシス・フォード・コッポラの名前が賞の行方に大きな影響を与えたのかな、とも思いますが
別のメディアでは、ソフィア・コッポラ監督と審査員長を務めたクエンティン・タランティーノ監督が以前恋人同士であった事実を挙げ、公私混同だと批判しています
タランティーノはこれに反論したそうですが、今回のヴェネチア映画祭のコンペディション部門にはタランティーノ監督の友人知人、元彼女の作品がノミネートされた事実を指摘する声もあり、騒動はまだ続くのかも知れません


映画祭もビジネスですから、私情を挟んで特定の作品を有利に扱うケースが絶対にないとは言い切れません
過去には「何でこんな映画がグランプリなのか」と酷評されたり、受賞を逃した作品の方が受賞作より興行で成功するケースもありますので、審査結果が必ずしも世間の評判とは一致しなかったりします
かつて世界三大映画祭と呼ばれたヴェネチアも、最近では参加する映画のバイヤーの減少や、賞そのもののネームバリュー低下が指摘されており、もはや三大映画祭に含めるべきではないとの声があるそうです(モントリオール国際映画祭の方が格上、とする見方が有力なのだとか)
国際映画祭は山ほどありますが、そこで名声を確立するにはいかに優れた作品に光を当て、発掘し、賞を与えるかにかかっています
駄作ばかり賞を与えていたのでは、「あそこの映画祭は変だ」と言われるだけです
今回の結果がヴェネチア国際映画祭の存在を高めるものになるのか、貶める結果になるのか、どちらでしょうか?

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