高齢者行方不明全国で18人

高齢のお年寄りが実は死んでいたとか、行方不明で生死が不明などという事態が全国、あちらこちらの地方自治体から報告されていると毎日新聞が記事にしています

高齢者不明:全国で100歳以上の男女18人 所在不明に

東京都足立区の最高齢者とされた男性が自宅から白骨死体で発見された事件がきっかけですが、「よくもこれだけ事実確認をしないで放置してきたな」と驚かされます
ご承知のように日本では民生委員制度があり、各家庭を直接訪問するなど、行政の手が回らないところを補うシステムがあります
足立区役所の関係者は、「高齢者を監視したり家庭の中に入る権限は行政にはない。今回の事件は民生委員などの人手が足りないとかいう以前の問題だ」と毎日新聞の記事ではコメントしています。本当にそうなのでしょうか?
「死亡の届出がないから」とそのままにしてきた責任が地方自治体にないのか、と問い質してみたくなります
自分には役所の人間の「やる気のなさ」が根本的な原因のように思えるのですが
田舎では最高齢者のところへ市長や町長が直接記念品をもって訪問し、その様子が広報誌に掲載されたりしますので、口実を設けて会わせないという手は通用しません
さらに近隣同士の人たちの交流も盛んですし、お年寄り同士互いの家を訪問し合いますから隠蔽することは困難です(過疎化の進展により、それもままならなくなりつつありますが)
人の交流が乏しい都会だからこそこうした事案が発生するのは確かですが、区役所の人間が庁舎に閉じこもり、書類の相手ばかりしていて仕事をした気になっているようではこした事案に対処できません
お年寄りが家の中に監禁され、虐待されている可能性もあるわけですから、安否確認のため手を尽くすべきでしょう
強制的に家の中に立ち入ることはできないにしても、安否を確認する方法はいくつもあるはずです
大阪で育児放棄された幼い子供がマンションの中で死亡する事件がありましたが、通報を受けた大阪の児童相談所は部屋の中へ立ち入ろうとせず、メモを置いただけで帰ってしまったと報じられています。児童相談所は法律による強制的に建物の中へ立ち入る権限を与えられているのですが、その権限を行使しないまま事態を無視しました


これも法律の問題や制度の問題ではなく、「やる気のなさ」に根本的な原因があります
強制的に立ち入ってあとあとトラブルになるより、「連絡をください」とメモだけ置いて、あとは「親権者から連絡がなかったので」と事を済ませるつもりだったのでしょう
大阪の児童相談所には全国から抗議の電話が殺到しているそうですが、批判されて当然です。「自分たちがこどもを保護する最後の手段だ」との自覚を持たないから、こんな真似が平気でできるのでしょう
行政にはさまざまな権限が託されており、国民の付託に応える義務があります
法律やシステムの不備のせいにする前に、自分たちが国民の負託に応えるため誠実に仕事に取り組んでいるか、考え直してもらいたいものです
どれだけ法律や制度を充実させても、担当する公務員にやる気がないのでは機能しないのです
大阪西区で起きた育児放棄事件については、またあらためて書くつもりです

(関連記事)
長寿不明者大国日本はスーパーずさん大国
老人ホームで3人が転落死 同じ職員が当直
老人ホーム3人転落死事件の闇
川崎3人転落死老人ホーム 問題だらけの実態
老人ホーム3人転落死 元職員が犯行自供
老人ホーム3人転落死 管理会社の見苦しい釈明
老人ホーム3人転落死 今井容疑者は自己愛障害?
京都連続不審死事件 他に6人を殺害
京都連続不審死事件 別の高齢者殺害で再逮捕
京都連続不審死事件 青酸を処分せず保管
再婚相手が次々と不審死 連続殺人か



この記事へのトラックバック