知的障害の兄が小学生の弟を殺害
何とも痛ましい事件ですが、愛知県岩倉市で特別支援学校高等部2年生(17歳)の兄が小学6年の弟を包丁で刺し殺した容疑で逮捕されました
記事だけでは具体的な状況は不明です。母親は仕事にでかけ、同居していた祖父母も外出中であり、家には兄弟だけしかいなかったようです
そこで何らかのトラブルがあり、兄が包丁やはさみで弟を刺したと思われます
祖父が帰宅した際、死亡した弟の傍らで兄はテレビゲームをしていたと記事にありますから、テレビゲームを巡って兄弟ゲンカになったとも考えられます
知的障害といっても個人差があるため、一概にこうだと決めつけるわけにはいきませんし、知的障害者が殺人事件を起こすケースは決して多くはありませんので、偏見を抱いてこの事件が語られないようにしてもらいたいものです
一部には知的障害者がその時の感情が赴くままに行動し、善悪の判断もつかないと決めつける人もいるのですが、必ずしもそうだとは限りません
知的障害者は感情の統制がうまくできなかったりするのですが、何が悪いことであるかは繰り返し教えこまえれていますから、ある程度の判断はできます(もちろん個人差があります)
今回のように怒りに駆られて我を忘れ攻撃的に振舞うとき、相当の力を出しますから小学6年生ではとても抵抗できなかったのかもしれません
夏休みの期間ですから、兄弟が家の中で顔をつき合わせている時間も多く、ゲーム機の奪い合いになる可能性は考えられますが、しかし殺人に至るような事態までは誰も想定できなかったはずです。日頃から粗暴な行動を繰り返していたのなら別ですが
さて、この先はどのような扱いになるのでしょうか?
成人の場合は犯行時の責任能力が問題とされ、重度の知的障害などで十分な善悪の判断ができなかったと認められれば罪を問えない、というのが刑事訴訟法上の建前になっています
しかし、未成年者の場合は知的障害があったとしても無罪放免にはならず、犯罪を犯す蓋然性が高いと認められれば「要保護性」があるとして少年院に収容するのが少年法上の規定です
知的障害のある少年をどこまで矯正できるのか、という問題はありますが
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