スポーツドラマの秀作 映画「炎のランナー」
当ブログでは自分の観た映画の中から良作、秀作について書こうと思いつつも、なかなか
1つの記事にまとめられないため、実現しません。あらためて記事にしようとすると、これ
がかなり難しいのです
今回は映画「炎のランナー」を取り上げます
スポーツを題材とした映画は数多くあるのですが、その中でも「炎のランナー」は陸上競技
とそれに取り組む選手たちの葛藤をドラマとして表現するのに成功した作品だと思います
1924年のパリ・オリンピックに挑んだ2人の青年、ケンブリッジ大学の学生でユダヤ人の
家系に生まれたハロルド・エイブラハムズと、スコットランドの宣教師の家系に生まれたエ
リック・リデルが主人公です
スポーツを題材にした映画では、競技(試合)の部分に比重を置けば登場人物の間のドラ
マが希薄になりますし、逆に人間関係の描写に比重を置くと見せ場が少なくなり中だるみ
してしまいます。「炎のランナー」も途中、中だるみになりかけている部分があるのですが、
大きな破綻はなくラストのパリ・オリンピックの競技場面につなげています
安息日(日曜日)には競技に出場しないとするエリック・リデルの信念に感服したチームメ
イトが、400メートル競走の出場権をリデルに譲ります
リデルが出場を断念した100メートル競走ではエイブラハムズが金メダルを獲得し、ぶっ
つけ本番で挑んだ400メートル競走ではリデルが世界新記録となる激走で金メダルを手
にします
音楽を担当したヴァンゲリスの曲も効果的で、画面の躍動感を補ったり登場人物の苦悩
を表現しており、単なる挿入曲や背景音楽以上の役割を果たしています
音楽といえばヴァンゲリスの曲ではなく、イギリスの作曲家ヒューバート・パリーの「エルサ
レム」もこの映画では強い印象を与えてくれます
この「エルサレム」がイギリス人にとっていかに特別な曲であるか、下の動画を見てもらえ
ばわかると思います
映画「炎のランナー」の原題は「Chariot of fire」(炎の戦車)であり、この場合の戦車とは
映画「ベン・ハー」に登場する闘いのための馬車のことです。「Chariot of fire」は上記の歌
「エルサレム」の歌詞に登場しています。昔、イエス・キリストがイングランドの土地に立っ
たとする伝承を詩人ウィリアム・ブレイクが詩として表現したものです
信仰と信念をもって、かつてイエス・キリストが立ったこのイングランドの地に我々のエルサ
レムを打ち建てよ、と呼びかける詩です(エルサレムとは「神の家」を指すヘブライ語)
さて、この映画の主人公の1人、エリック・リデルは日本と関わりのある人物です
パリ・オリンピックの後、エリック・リデルは伝道のため中国に赴任します。満州事変の後
リデルは妻とこどもをカナダへ避難させますが、自身は伝道のため中国に残ることを選び
ます。1943年にリデルは日本軍に抑留され、収容所で生活するようになります
収容所では娯楽として運動会が行われ、リデルも参加したそうです。40歳を過ぎていたリ
デルですが、その俊足ぶりには監視をしていた日本兵も唖然としたといいます
そんなリデルも病魔(脳腫瘍)に犯され、収容所の中で亡くなっています
最後まで己の信仰と信念を貫いた人物だったと言えます
終戦記念日、戦争にまつわる報道に接しているうちにこの映画のことを思い出し、書いて
みました
(関連記事)
作曲家マーラー没後100年 「私の時代が来る」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201105article_8.html
映画を生かす音楽 「刑事ジョン・ブック 目撃者」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/200912article_54.html
心の残る映画音楽ランキング キネマ旬報
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201004article_7.html
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がかなり難しいのです
今回は映画「炎のランナー」を取り上げます
スポーツを題材とした映画は数多くあるのですが、その中でも「炎のランナー」は陸上競技
とそれに取り組む選手たちの葛藤をドラマとして表現するのに成功した作品だと思います
1924年のパリ・オリンピックに挑んだ2人の青年、ケンブリッジ大学の学生でユダヤ人の
家系に生まれたハロルド・エイブラハムズと、スコットランドの宣教師の家系に生まれたエ
リック・リデルが主人公です
スポーツを題材にした映画では、競技(試合)の部分に比重を置けば登場人物の間のドラ
マが希薄になりますし、逆に人間関係の描写に比重を置くと見せ場が少なくなり中だるみ
してしまいます。「炎のランナー」も途中、中だるみになりかけている部分があるのですが、
大きな破綻はなくラストのパリ・オリンピックの競技場面につなげています
安息日(日曜日)には競技に出場しないとするエリック・リデルの信念に感服したチームメ
イトが、400メートル競走の出場権をリデルに譲ります
リデルが出場を断念した100メートル競走ではエイブラハムズが金メダルを獲得し、ぶっ
つけ本番で挑んだ400メートル競走ではリデルが世界新記録となる激走で金メダルを手
にします
音楽を担当したヴァンゲリスの曲も効果的で、画面の躍動感を補ったり登場人物の苦悩
を表現しており、単なる挿入曲や背景音楽以上の役割を果たしています
音楽といえばヴァンゲリスの曲ではなく、イギリスの作曲家ヒューバート・パリーの「エルサ
レム」もこの映画では強い印象を与えてくれます
この「エルサレム」がイギリス人にとっていかに特別な曲であるか、下の動画を見てもらえ
ばわかると思います
映画「炎のランナー」の原題は「Chariot of fire」(炎の戦車)であり、この場合の戦車とは
映画「ベン・ハー」に登場する闘いのための馬車のことです。「Chariot of fire」は上記の歌
「エルサレム」の歌詞に登場しています。昔、イエス・キリストがイングランドの土地に立っ
たとする伝承を詩人ウィリアム・ブレイクが詩として表現したものです
信仰と信念をもって、かつてイエス・キリストが立ったこのイングランドの地に我々のエルサ
レムを打ち建てよ、と呼びかける詩です(エルサレムとは「神の家」を指すヘブライ語)
さて、この映画の主人公の1人、エリック・リデルは日本と関わりのある人物です
パリ・オリンピックの後、エリック・リデルは伝道のため中国に赴任します。満州事変の後
リデルは妻とこどもをカナダへ避難させますが、自身は伝道のため中国に残ることを選び
ます。1943年にリデルは日本軍に抑留され、収容所で生活するようになります
収容所では娯楽として運動会が行われ、リデルも参加したそうです。40歳を過ぎていたリ
デルですが、その俊足ぶりには監視をしていた日本兵も唖然としたといいます
そんなリデルも病魔(脳腫瘍)に犯され、収容所の中で亡くなっています
最後まで己の信仰と信念を貫いた人物だったと言えます
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2008-10-24
ユーザレビュー:
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珠玉の作品この作品, ...
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