虐待を発見しながら報告しない学校の屁理屈
こどもへの虐待を報じるニュースが毎日、飛び込んできます
東京都の公立高校で、1年生の女子生徒の顔に殴られたアザを教諭が発見しておきながら、学校側は「様子を見よう」と決め込み児童相談所へ通告しなかったケースがあったと報道されています
女子生徒はその後も母親からの暴力を受け、7月になって児童相談所が介入し、保護されたという話です
「児童相談所へ通告しなかったのは問題だ」と都の教育委員会はコメントしているのですが、問題の高校の校長は「判断ミスはなかった」と開き直っています
校長は、「生徒の家庭環境、親類・友人関係、学校・家庭生活の中で常に一番いい方法を考え、今回は様子を見守ることにした。対応を間違えると事件になるが、今回は事件になっていない。私はこの事案については判断ミスとは全然思っていない」と発言しているのですが、判断ミスよりも前に基本的な認識が完全にズレています
こどもへの虐待は早期発見、早期介入、早期解決が理想です
事件となるようなひどいケガ、命の危険にさらされる状況になってから取り組めばよいというものではありません
虐待は体だけでなくこどもの心を蝕むため、できるだけ早い時期に解決するのが望ましいのです。1日でも早く、1時間でも早く解決した方がよいのです
肉体的なダメージが少ないから、という外見だけの判断で児童相談所への通告を見送るのはあまりにも愚かな考え方です
これで「判断ミスはない」と開き直るような人物は教師を辞めてもらうしかありません
高校生だから自分の被害を自分で児童相談所に通報できるというものではなく、親を庇おうという気持ちが働き、通報をためらうケースもあるでしょう。あるいは親の報復を恐れるあまり、自分では通報できないケースも考えられます
この愚かな学校長の判断は「様子を見る」というものではなく、「何もしない」という決定なのです。教師をいう役割を自ら放棄したと言ってもよいでしょう
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