中国アニメ産業の悩み 実はまったく儲からない
「中国のアニメーション産業の成長が著しい」との報道があちこちで見られます。当ブログではそんな報道にいちいち突っ込みを入れるのが定番と化しています
さて、今回は「TVアニメーションをたくさん作っているけど、実は儲かっていない」というチャイナネットの配信記事を取り上げます
中国アニメ産業の悩み テレビアニメは利益なし
チャイナネット 2010/07/22
「全国で去年に制作された国産テレビアニメは322本、時間は2008年より31%増の2863時間36分と、一躍世界のトップになったが、この322本は利益が上がらず、多くの中小のアニメ会社が生死の境をさまよっている」とあります
「中国のアニメーション産業は政府が支援し、急成長している」と大絶賛する記事がやたら見られるわけですが、実情は随分と違うようです
前回は朝日新聞の記事で、「従業員1千人を超えるアニメ企業がいくつも育っている」と書かれていたのですが、従業員1千人を超えるアニメ企業がいくつ存在するかで勝ち負けが決定する、というルールがあるのでしょうか?
そんなルールは存在しません(それにそんなアニメーション制作会社が中国にいくつ存在するか、記事では具体的な数は示さず書き逃げしています)
チャイナネットの記事では、「資金不足はアニメ産業が直面する大きな問題である。あるアニメ会社の責任者は『1分間の制作費は1万元以上かかるが、一般的にテレビ局に売る版権料は1分間でわずか5元。これだとただで放送してもらっているようなものだ』と嘆く」と書かれています
日本のTVアニメーションのようにスポンサー企業があって、その制作費を負担するようなビジネスモデルすら、中国にはないのでしょうか?
中国のアニメーション産業を大絶賛する記者には、その辺りを取材した上で記事を書いてもらいたいものです
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