クールジャパンの強敵出現?

ヨーロッパでの日本漫画の流行については何度も取り上げていますが、強力なライバルが出現した、との記事が注目されています


欧州のMANGA(マンガ)ファンが集う会場の一角に、韓国でマンガを意味する「MANHWA(マンファ)」の看板が掲げられた。今月1日から4日間、パリ郊外で開かれたジャパン・エキスポ。
「かっこいい」という意味で「クール・ジャパン」と呼ばれる日本のマンガやアニメの祭典だ。
ここ数年は各国から15万人前後が押し寄せる。
「マンファ」の看板を掲げたのは、韓国政府所管のコンテンツ復興院のブース。開催11回目で初めて出展した。会場を視察していた経済産業省の渡辺哲也クール・ジャパン室長は「韓国はとうとうここまで来たのか」とショックを受けた。「ここもいずれマンファに席巻されるかもしれない」
(7月25日付け朝日新聞1面より)


記事を読むと朝鮮日報か、と思ってしまいます
記者はおそらく、「ここもいずれマンファに席巻されるかもしれない」 の一文が書きたかったのかもしれません
しかし、韓国のマンファに席巻されてしまった場所がどこかに存在するのでしょうか?
そんな場所は朝日新聞の記者の脳内だけにしかありません
たとえばそのマンファの本場である韓国の市場を見てみましょう
2009年11月の韓国国内での漫画の売り上げランキングです

■11月の漫画単行本ベストセラー TOP20 (コミックストーム集計結果)
1位 「けいおん! 2巻」
2位 「パンドラハーツ 9巻」
3位 「ワンピース 54巻」
4位 「ハヤテのごとく!20巻」(カレンダー限定版)
5位 「BLEACH 40巻」
6位 「是 -ZE- 8巻」
7位 「神のみぞ知るセカイ 4巻」
8位 「生徒会の一存」(J NOVEL)
9位 「乃木坂春香の秘密」(EX NOVEL)
10位 「とある魔術の禁書目録 SS〈2〉」(NY NOVEL)
11位 「スキップ・ビート! 22巻」
12位 「鋼の錬金術師 23巻」
13位 「ハヤテのごとく!20巻」
14位 「To LOVEる 14巻」
15位 「バクマン。 4巻」
16位 「クロスゲーム 15巻」
17位 「アクセル・ワールド」(J NOVEL)
18位 「バンブーブレード 11巻」
19位 「百鬼夜行抄 18巻」
20位 「河伯の新婦 10巻」(尹ミギョン・作)

これがマンファに席巻された世界?の事実です。朝日新聞の記者は顔を洗って出直してくるべきでしょう
以前にも、「フランスの出版社がマンファに注目し、出版することが決まった」と韓国メディアがまるで鬼の首でも獲ったかのように記事にしていましたが、その出版社は倒産したのだとか
こうした記事を読むたびに思うのですが、「韓国のマンファはすごい」と書くだけで、具体的な作品名は登場しません
何がそれほどすごいのか、作品を例示した上で語らないと話にならないのですが
この朝日新聞の記事でも、「(中国では)映画や出版などと並び、近年はアニメ産業育成に注力。関連企業を集めた『動漫(アニメ)産業基地』を大連、天津、長沙など約20ヶ所につくった。従業員1千人を超えるアニメ企業がいくつも育っている」とあるだけで、具体的な作品名はどこにも見当たりません
こんな記事の書き方で新聞の第1面に載せる朝日新聞もどうかしています
風聞や噂の類でしかありません。冷房のきいたオフィスに座り、パソコンを眺めて書いた記事なのでしょう。少なくとも自身で取材をして書いたものだとは思えません

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