アメリカとロシアのスパイ合戦

ロシア政府は事実を公式に認めようとはしないのでしょうが、いまだにスパイ活動による情報収集に熱心なのは事実でしょう
最高権力者であるプーチン首相自身がロシアの秘密警察(KGB)出身であり、情報収集がいかに重要であるか知っている人物だからです
ロシアのスパイ10人がアメリカ国内で拘束されたと報じられています


米国・テキサス州に住む女性のAnna Fermanova容疑者が先ごろ、ロシアへのハイテク武器輸出の容疑で米国で逮捕された。米国メディアは先ごろ話題になったロシアの「美人スパイ」チャップマン元被告とあわせて論じている。
AFPが27日に伝えたところでは、米国司法省から得た資料に基づくと、24歳のAnna Fermanova容疑者は3月には米国警察にマークされていたという。同容疑者はニューヨークのケネディー空港で光学スコープのついた小銃3丁を所持しているのを発見され、警察に没収された。その後、同容疑者はモスクワに向かったという。
Anna Fermanova容疑者はラトビア生まれ。7月15日に逮捕された後、米国に居住する同容疑者の両親の家で警察の監視を受けている。同容疑者の罪状は不法に米国から軍事物品を搬出したことだ。米国メディアによると、警察は同容疑者の自宅から輸出禁止の軍事物品である高精度スコープ器材Raptor 4Xを押収している。同容疑者によると、彼女はこのスコープを夫の狩猟用に1万5千ドルで購入したという。
ロシアのメディアによると、米国は同容疑者をもう一人の「ロシアのスパイ」と見なしているが、実際には彼女はロシアと何の関わりもない。彼女の国籍は米国で、出生地はラトビアだ。しかし同容疑者と夫はロシアで生活しており、夫の職業は今のところ明らかではない。それにも関わらず米国の記者は、先に米国で逮捕されたチャップマン元被告と同様にAnna Fermanova容疑者も魅力的な外見を備えており、ロシアとも関連があると主張している。
 「人民網日本語版」2010年7月29日


日本はどうなのかという話になると、まずスパイ活動をした人物を取り締まる法律がありません。最近ではトヨタ系の部品メーカー、デンソーに勤務していた中国人が大量の技術情報を持ち出した例があります。しかし、これも産業スパイとして処罰できませんでした
政府機関の情報であろうと民間企業の情報であろうと、それを盗みだした人間を処罰する法律を作るべきでしょう
現実には民主党内の左派グループが猛反対するのでしょうが
日本がスパイ天国と言われるゆえんです。政治家の危機感のなさには困ったものです
アメリカは自国の利益を守るためにはなりふり構わない行動を取る国ですから、当然スパイ対策のため巨額の予算を投入していますし、スパイ活動にも力を入れてます
その代表的な例がエシュロンと呼ばれる情報収集のシステムです。電話の会話の盗聴はもちろん、電子メールの傍受まで行う地球規模のシステムを構築し、運用しています


こうしたシステムも民主党政権で事業仕分けをする蓮舫大臣に言わせれば、「ムダな事業であり、必要ない」と判定されるのでしょう
しかし、情報収集のために最新のテクノロジーを惜しみなく注ぎ込むアメリカの姿勢が、技術開発を促進する原動力となっており、アメリカのIT部門での強さを支えているとも言えるのです
日本は政府も民間も情報の価値を理解せず、情報漏洩対策も疎かすぎるのではないでしょうか。情報収集、分析、あるいは情報漏洩対策という部分で新たな技術の開発に取り組めば雇用の促進にもつながります
大学を卒業したのに就職先がない、という事態を多少なりとも緩和できるはずです

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