「はやぶさ」人気で予算復活 見識のなさ

「仕分け人」(なぜかメディアはこの表現が大好きのようです)である蓮舫大臣が、「はやぶさ」の帰還を激賞し、惑星探査に関わる科学予算の復活をほのめかしています


「国民の声に耳を傾けている」と表現するべきか、「大衆の意向に迎合するポピュリズム」だと表現するべきなのか、どちらなのでしょうか?
「はやぶさ」が7年も宇宙空間を飛び続けたように、小惑星探査は数年かかりの息の長いプロジェクトです。その価値も意義も理解できない民主党の国会議員、政府に何を言っても無駄なのかもしれませんが、敢えて書いておきましょう
政府や民主党の科学技術や文化振興政策に対する予算の判断がこうもブレまくるのは、繰り返し指摘したようにその重要性、意義、価値を民主党の議員が理解していないためです
何が重要な政策であるのか、検討も議論もしないまま「事業仕分け」というパフォーマンスをやっているからこうした結果を生じるのです
「はさぶさ2」計画の当初予算要求額は14億円であり、それを削ってしまったのですからプロジェクトそのものが立ち上がりません。JAXAの研究者・技術者は仕事ができなくなり、予算がつくまで2年も3年もブランクが生じてしまうのです
5年先、10年先、20年先を見据えた構想を政治家が描けなくてどうするのでしょうか?
政治主導と叫ぶだけで、その構想も官僚に丸投げして作ってもらわないと、なにもできないのか、と言いたくなります
民主党は科学や文化の振興策にどう取り組むのか、20年から30年を見据えた中長期の構想を検討し、指針を作成すべきなのに、それをやろうとしないのです
結果、場当たり的に予算を割り振り、削減するドタバタを演じています
スペースシャトルでの飛行を経験し帰国した宇宙飛行士山崎直子さんが鳩山首相に報告をした際、「日本は(独自に)有人飛行をやらないの?」と鳩山首相が質問しました
日本が単独で宇宙での有人飛行をやらないという方針は政府の宇宙戦略会議の決定であり、その会議の議長は鳩山首相です。つまり鳩山首相は自分が決定した事項の中身について、まったく理解していなかったわけです(有人飛行をやらないとの決定は鳩山首相の就任以前ですが、少なくとも過去の決定事項や内容は事務方からレクチャーを受けたはずです)
政府が有識者を集めて諮問会議をやるのも結構ですが、民主党が党内に検討部会とか政策研究会を設置し、議員みずからが20年先30年先を見据えた政策論議をしなければ議員の政策立案能力は身につきません
こんな当たり前の取り組みすらできないのでいるのが民主党です

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