毒入りカレー事件被告を悲劇のヒロインにする「週刊金曜日」

1998年7月に和歌山で起きた毒入りカレー事件で死刑判決が確定している林真須美被告について、「週刊金曜日」が記事を書いています


いくつかの死刑確定事件で再審、無罪が言い渡される例がありますが、だからといってこの和歌山の毒入りカレー事件が冤罪であるとは限りません
記事はこの事件を冤罪と決めつけ、林真須美被告は無実の罪で死刑判決を受けた被害者であり、悲劇のヒロインだとする立場から書かれたものです
記事の中で「殺人などの罪に問われながら、一貫して無実を訴えた林眞須美さん」とありますが、前にも触れたようにこうした表現は誤解を与えるものでしょう
林真須美被告は一審の和歌山地裁で黙秘を貫き、事件についてまったく語ろうとしませんでした。「一貫して無罪を訴える」なら、なぜ一審で黙秘を貫いたのでしょうか?
記事では林真須美被告が長期間の拘置所生活で苦しんでいると強調していますが、毒入りカレー事件の被害者やその家族の苦しみはそれ以上のものです
林真須美被告は被害者に一度も謝罪していませんし(無罪を主張しているから当然かもしれませんが)、損害賠償にも応じていません
記事では拘置所で接見(面会)する弁護士がパソコンを使えないのは問題だ、とさも重要な問題であるかのように指摘しまいます。が、本当にそうなのでしょうか?
パソコンの使用制限が再審請求活動の妨げになっている、などと大真面目に書いているのですから、驚きです
林真須美被告が楽になり救われる方法は、真実を語ることでしょう
当時の事件の状況からして、林真須美被告以外の人物がシロアリ駆除用の薬剤を夏祭りのカレーに混入する可能性は皆無に近いのですから
林真須美被告側は「真犯人は別にいる」と主張しています。が、それがどこの誰であるかは明らかにしていません
また、記事では夫の林健治を「死刑囚の妻を懸命に支える夫」であるかのように書いています。しかし、林健治は妻の真須美と共謀して保険金をだまし取った件で有罪判決を受け、服役したという事実があります
毒入りカレー事件は真須美被告単独の犯行ですが、この夫婦が他にも何らかの秘密を共有しており、それを秘匿しておきたいがため夫が妻の世話をしているように見えてなりません

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