中国で相次ぐ児童襲撃殺人
中国で小学生や幼稚園児など、低年齢児童を狙う殺人事件が相次いでいるとの報道があります。元々はAFPの記事を引用していたのですが、削除されてしまったので別の記事を貼り直しておきます
銃や刃物による無差別殺傷事件を耳にするたび、居たたまれない気持ちになる人は多いだろう。ましてその犠牲者が、幼い子供を含むとあってはやりきれない。このほど中国重慶市の幼稚園に、刃物を持った女が侵入し次々と園児を切りつけた。女はその場で逮捕された。『Shanghaiist』『South China Morning Post』『The Sun』などが伝えている。
10月26日の午前9時半頃、重慶市巴南区の魚洞新世紀幼稚園の園庭で、体操を終えた園児らが教室に入ろうとしたところに悲劇が起こった。
幼稚園に侵入した39歳の女が、キッチンナイフを持って園児らを追いかけ回し次々と切りつけた。女は現場で園の職員や警備員らに取り押さえられ、午前10時頃に園の外で警察当局に拘束された。
この時の現場の様子が動画に収められているが、地面には負傷した園児からの血がしたたり落ち、顔から血を流した園児が園内から呆然とした様子で出てくる姿や病院のストレッチャーに横たわる園児の姿などがあり、園の外は警察官や連絡を聞いて駆けつけた保護者などで溢れ騒然としていたようだ。女に切りつけられた14人の園児らは、巴南区人民病院や重慶医科大学附属児童医院へと搬送されたが、地元メディア『Chongqing Evening News』によると、14人のうち6人は深刻な怪我で、その1人は重傷ということだ。しかし幸いにも死亡者は出なかった。
また、地元放送局によりシェアされた動画では、犯人の女が警察当局スタッフに両脇から腕を掴まれて連行される姿も捉えられている。この女の名字がLiu(リウ)であるということのみが報じられており、犯行の動機については未だ明らかになっておらず、警察では捜査が続けられている。目撃者のひとりによると、Liuは警察当局に連行される前に「政府の私への対応は不公平だ!」と叫んでいたという。
中国の都会では近年、こうした無差別殺傷事件が増えている。今年4月には陝西省楡林市の中学校に28歳男がナイフを手に侵入、10人以上の生徒を負傷させ9人を刺殺した。加害者の男は7月に死刑判決を受け9月に死刑執行となったが、逮捕時に「10年前にこの学校でいじめられ、復讐がしたかった」と供述していた。また、6月には上海の小学校の外で29歳男が2人の児童を刺殺する事件が起こっている。
このニュースを知った人からは、「この女にも極刑を望む」「中国はフェミニストの国ではないから、そうなるのでは?」「こんな奴死刑でいい」「子供がこんなふうに犠牲になるニュースを見るのは耐えられない」といった声があがっている。
(TechinsightJapanの記事から引用)
3月末から中国国内で幼稚園や小学校を襲撃して児童・園児を殺傷するという無差別殺人が相次いで発生しています
事件を「中国国内で拡大している格差」のせいにするのは簡単ですが、それだけで説明がつくものではありません
日本でも通り魔事件が発生し大々的に報道されると、それに刺激され模倣する人間が登場します。社会に対して何らかの恨みを抱く人間はこうした事件に刺激を受け、「自分もやってやろう」と思い込んでしまうからです
挫折感や敗北感、やり場のない憤りなどなどに苛まれ、追い詰められた人間は自制が効かなくなり、鬱屈した感情を爆発させて無差別殺人に走り、1人でも多く手にかけてやろうとします
科学的社会主義を掲げ、平等な社会の建設を目指す中国ですが、そのスローガンとはまるで異なる格差社会に陥っています
かつて民主党の小沢一郎は、「日本は世界でもっとも格差のひどい社会だ」と発言していますが、中国ほどではありません
中国で年間に発生する殺人事件は2万件です。1日に50件以上の殺人事件が発生している計算になります。他にも強盗事件など毎日数百件発生しているため、これを逐一報道していたなら、新聞は電話帳ほどの厚さになるでしょうし、ニュースは24時間凶悪犯罪についてしゃべり続けても全部を取り上げるのは無理です
麻薬の密輸に関係した日本人が中国国内で相次いで死刑になり、中国政府は「日本はもっと国民を教育すべきだ」と発言していました。が、犯罪防止のために国民を教育する必要があるのは中国の方だと言いたくなります(日本も慢心は禁物ですが)
オリンピックに万博開催と中国政府は浮かれているようですが、国内では政府への不満に端を発する暴動事件が年間で1000件近く発生しています
中国国内の刑務所の受刑者は154万人とされますが、これは政治犯など強制収容所に拘禁されている人間を除外した数字でしょう
日本のメディアは中国の高い経済成長率にばかり注目していますが、経済成長が進むほど、そこからこぼれ落ちる人も増えます
貧苦で追い詰められた人間がやけっぱちになって無差別殺人を起こす事例は、これからも増え続けると思われます
しかし、経済格差だけが無差別殺人を生み出すわけではありません。人が多ければ、それだけ個々の人間に対する配慮や手当てが乏しくなりがちです。本来、治療や療育が必要とされる人が野放し状態になっていたり、そうした社会的弱者を踏みにじって省みない風潮が蔓延するのは、無差別殺人を引き起こす可能性のある爆弾を製造しているようなものです
と書けば、中国政府は精神障害や発達障害の可能性のある人間を予防拘禁し、施設に閉じ込めてしまうといった乱暴な対策に走るのかもしれませんが
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