「餃子の王将」 スパルタ研修で批判される

「餃子の王将」の新人研修がテレビ番組で紹介された結果、多くの批判が寄せられる事態になったとJ-CASTニュースが報じています


その研修内容は特別、異常なものではありません。軍隊方式でビシバシ鍛えるべきだ、と考えがちな経営者の思いつきそうな内容です

携帯電話からテレビ、新聞、タバコも禁止。朝は6時半からランニングを行い、夜は23時に消灯。研修では、ことあるごとに怒号が飛び交う・・・
その中でも特に強烈なのが、3分間の「私の抱負」スピーチだ。他の社員の前で「私の抱負は1年後チーフになり、店長になることです。絶対になります!」などと絶叫。「70点 合格!」と言われ、最後には役員と涙を流して抱き合う。まるで自己啓発セミナーのようだ。

研修期間は5日ですから、何かを習得させるのが目的ではなく、意識改革とかショック療法のようなものでしょう
「餃子の王将」の説明によれば、「今の若者には『汗をかかない』『涙を流さない』『感謝を知らない』といった傾向があり、研修では『感謝を知ること』を一番教えたい」のだとか
つまり、「汗をかかせる」ことと、「涙を流させる」こと、「恥をかかせる」ことが目的の研修だと思われます
こうした研修に効果があるのかどうかは知りませんが、経営者の自己満足という側面が大です
5日間の研修より、新入社員を待ち構えている日々の仕事の方が数倍も過酷なのではないでしょうか?
「餃子の王将」の経営実態は分かりませんので、あくまでも一般論として述べます
外食産業の場合、若くして店長に抜擢される例があるわけですが、管理職という名目のため超過勤務手当もなしに長時間労働を強いられている現実があります
毎日10時間以上働き、休みも取れず、体を壊して退職に追い込まれる。そうして社員を使い捨てにする経営を平然と行っているわけです
何よりも企業の存続が目的ですから、社員であれアルバイトであれ、そのための駒にすぎず、何のためらいもなく捨てることができます
そんな会社に未来があるのか、と思ってしまいます
「餃子の王将」も今は売上好調のようですが、浮き沈みの激しい業界ですからこの先も安泰とは限りません。売上不振となれば店舗数を削減し、従業員をばっさり解雇するのでしょう。身を粉にして働いてきた社員もあっさりクビになるのです
こうした現実は「過酷」と形容される5日間の研修より、数倍も「過酷」でしょう
従業員を大切にしない企業は滅びる、と個人的には思っています(単なる願望であるかもしれませんが)

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なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか? (プレジデントムック)
プレジデント社
野地 秩嘉

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