イギリスの作家アラン・シリトー逝去

若い方には馴染みのない名前だろうと思いますが、イギリスの作家アラン・シリトーが亡くなりました


一時期、アラン・シリトーの小説が人気を集め、次々と翻訳出版されていました
「土曜の夜と日曜の朝」や「長距離走者の孤独」から始まって、「ウィリアム・ポスターズの死」、「ノッティンガム物語」、「屑屋の娘」、「燃える樹」と読み、1990年の出た「渦をのがれて」がシリトーの作品を読んだ最後です
その作風をどう表現すればよいのかと考えたとき、思い浮かんだのが村上春樹です
初期の作品は確かに労働者階級出身で社会に希望を見い出せない若者の怒りを描いているのですが、途中から「労働階級の代弁者」と形容するにはふさわしくない成熟した物語を描くようになったように思います(Wikipediaでは彼の描く主人公は労働階級の代弁者として怒り続けている、とありますが疑問です)
その世界は村上春樹の描く世界に似ている気がします。単に自分がシリトーの小説を読み、さらに村上春樹の小説を読むようになったという読書遍歴を有しているため、そう感じているだけなのかもしれませんが
日本ではすっかり過去の作家になってしまった感がありますが、シリトーの描いた世界はまだ古びておらず、若い人たちにも中高年の人たちにもぜひ読んでもらいたいと考え、取り上げました


長距離走者の孤独 (新潮文庫)
新潮社
アラン・シリトー

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