なぜわが子を傷つけるのか 新聞の特集記事を読んで

産経新聞が特集で【なぜわが子を傷つけるのか】という特集記事を掲載しています


メディアは連日、こどもへの虐待、傷害致死事件を報じており、よくもこれだけひどい真似をと憤りが湧きます。しかし、あまりに虐待事件の報道が多く、だんだん感覚が麻痺してきそうな懸念すら抱きます
世間が関心を払わなくなってしまったら、それこそ虐待が見過ごされ救える命も救えなくなります
こどもは独立した1個の人格であり、親の付属物ではありませんし、親のペットでもありません。親がどのような境遇であれ、どのような人格であれ、どのような社会的地位であれ、こどもには生きる権利があります
そのこどもの生きる権利を踏みにじり、否定し、命を弄ぶ行為が虐待です
さて特集記事の方ですが、その中身は実際にリンクをたどって読んで確認していただきたいと思います
記事を読んだブロガーの反応として、「こどもの頃に虐待されて育ったとか、親から愛されなかったと言うが、だから何? そんなもの、こどもを虐待する理由にならないし、いいわけにもならない」と、厳しい指摘があります
虐待経験を語っている人たちの言動に、「見苦しいいいわけ」を感じ取り、そう指摘せずにはいられなかったのでしょう
特集を読んで気がつくのは、こどもをどうしても虐待してしまう親の切実な告白でありながら、そうした自分自身の問題にどう対処しているのかまったく書かれてない点です
こどもを虐待してしまうと苦悩しながら、どのような対処をしているのでしょうか?
もちろん心理療法や精神分析で、こどもをどうしても虐待してしまう問題が100%改善できるわけではありません。しかし、多少なりとも問題の改善には寄与できるのではないか、と敢えて言いたくなります
継続的に心理療法や精神分析を受けるには費用も時間もかかるため、すべての人に推奨できるものではありませんが。それでもこどもを虐待した挙句に殺害するという最悪の事態を回避するためなら、治療を受けてみるという選択肢は十分にあり得るのではないでしょうか?
虐待されて育った経験(トラウマ)への対処方法として、精神分析がどのように取り組んでいるか、数々の症例報告があります
「虐待されて育ったから、こどもにも暴力を加えてしまう。仕方がない」と諦めるのではなく、そうした負の連鎖を断ち切る努力をしてもらいたいと思います
心療内科など、健康保険が使える治療の場もあります

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