学習塾殺人事件を考える1 京進ゼミが9900万円賠償
2005年12月に京進ゼミ系の学習塾「京進宇治神明校」で小学6年生の女の子が塾講師の大学生に刺し殺された事件で、被害者の両親が1億3千万円の損害賠償を求める民事訴訟について判決があり、学習塾経営会社に約9900万円の支払いを命じる判決がありました
以前から気になっていた事件なのですが、あまり情報が入手できないのでブログでは取り上げませんでした
この事件の裁判では2度の精神鑑定が実施されているのですが、その詳細が掴めなかったためです
民事での損害賠償の判決が出ましたので、これをきっかけに思うところを書くことにします
ちなみに女の子を殺害した犯人萩野裕(27歳)は殺人罪などで懲役15年確定し服役しています。萩野の両親は自宅を売却し、被害者の両親への賠償金として1千万円を供託していますが、こちらの方がどうなっているのか分かりません
被害者の両親は娘を殺された怒りから、荻野被告に対し無期懲役を求める署名を集める活動をしていましたが、刑事裁判では一審が18年の懲役で、二審では被告の責任能力に一部問題があったと減刑され懲役15年の判決が出ました
検察側がこの判決を受け入れたため、懲役15年で確定しています
被害者の両親が塾経営会社に損害賠償を請求したのは、いわば娘の敵討ちです
その心情は理解できますし、批判するつもりもありません
2005年の事件ですから詳細を記憶しておられない方も少なくないと思います
事件のまとめページがありますので、そちらをご覧ください
まとめのページからもわかるように、萩野受刑者の塾内での行動にはさまざまな問題があり、被害者の両親が塾側に抗議するなどしていたのですが、塾側がどのような対応をしたのかはっきりしません
口頭で萩野受刑者に何らかの注意をしたのかもしれませんが、それがかえって被害者である児童への攻撃(萩野受刑者からすれば自分が児童から責められているという受けとめ方になるわけです)に結びついたと言えます
萩野受刑者は同志社大学進学後、大学構内で盗みをやり警備員に怪我をさせるという強盗致傷事件を起こし、執行猶予中の身分であり、大学からは停学処分を受けていました
しかし、その事実を隠したまま塾講師として採用されています
塾側の人事管理に重大な過失があったと指摘されるのも当然です
要するに同志社大学法学部の学生という肩書きだけで講師として採用し、その後、児童などから苦情が出たものの何ら有効な対処をせず殺人事件が発生するまで放置していたのですから、管理責任を問われても言い逃れはできないでしょう
事件発覚後、会社側は萩野被告の前科を知り、「(前科を隠している学生がいる以上)こうした事件は防ぎようがない」とコメントし、顰蹙を買いました
塾内での授業態度、児童との接し方でも十分問題があったのを放置しておいて、「前科を申告しなかった萩野が悪い」と責任を転嫁させるのですから、批判されるわけです
さて、次回は萩野受刑者がどのような人物で、なぜ塾内で小学6年生の女の子を殺害しなければならなかったのか、書きたいと思います
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