カラスの夢を繰り返し見る人
ヤフーのトップページに「カラスの夢にうなされるので夢判断をお願いします」との投稿が載っていました
投稿の目的はあくまで「夢を占ってほしい」というもので、カラスの夢を繰り返し見る意味を問うものではありません。回答を寄せた方も「毎日のようにカラスの夢を見るのは家庭崩壊なども考えられる」と、夢に対する占いを行っています
フロイトが精神分析の知見を著した本は「夢判断」というタイトルがつけられ、あたかも夢占いのような誤解を与えるのですが、もちろん夢を占っているわけではありません
「カラスの夢を繰り返し見てうなされる」という投稿者の申し出だけでは詳しい事情が分からないですが、このブログで取り上げ考えてみたいと思います
最初に投稿を見たとき、フロイトの症例として有名な「狼男」のケースが頭に浮かびました。家の外に大きな樹があり、そこに狼が数頭いる場面を繰り返し夢に見る、と訴える男性患者をフロイトが分析した症例です
「狼男」の症例についてはコンパクトに説明しているウェッブサイトがあるので、そちらを参考にしてしてください
症例を見てわかるように、Aという夢を見たらBという症状、などと簡単に決められるものではないとご理解いただけると思います
フロイトは丁寧に時間をかけて男性の成育史を紐解き、彼の体験や育まれてきた妄想を明らかにしています
つまり「カラスの夢を繰り返し見る」と訴える人の場合も、その成育史をつまびらかにしなければ夢を解釈できないのであり、簡単に結論付けるのは危険なのです
と書いただけではあまりに中身がありませんので、自分なりに「カラスの夢」について考えてみます
投稿には、「最近毎日のようにカラスの嫌な夢を見ます。だいたい内容は同じで、何度カラスを追い払ってもカラスは逃げず、追い払う手や足がカラスに当たっても逃げません。そして私の肩の上に乗ろうと襲ってきます」とあります
つまり最近、何か身辺で常ならざる事態が起こり、それがきっかけで「カラスの夢」を見るようになったというわけです。彼女自身、そのような事態を明確に意識はしていないようですが
何があったのでしょうか?
投稿者は女性のように思われますので、男性につきまとわれたり、体を触られるような体験があったのかもしれません。あるいは職場の上司がじっと自分の方を見ているかのような視線を感じた体験、エレベーターの中で背後にいた男性が息遣いや気配を首筋に感じて悪寒がした体験などなど、カラス=男性というイメージから想像できます
もちろん彼女が男性恐怖を内に秘めているとか、同性愛的な願望を抑圧しているなどと考えるのは飛躍のしすぎであり、そうだと決めつける材料は何もありません
何の脈絡もなく「カラスの夢」を見るとは考えられませんので、彼女が無意識のうちに閉じ込めている何からの体験(カラスという記号に象徴される何か)がその意味を繰り返し意識に問いかけているのだろう、と精神分析では考えます
ただし、最近の体験というのは夢を見るに至ったきっかけに過ぎず、根源的な原因はもっと過去に遡ったところにあると考えられます
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