五木寛之 直木賞選考委員辞任

毎日新聞の報道によれば、五木寛之と平岩弓枝が直木賞の選考委員を辞任するとの話です
五木寛之は32年、平岩弓枝は23年、直木賞の選考委員を務めました


持論として前にも書きましたが、芥川賞や直木賞の選考委員が長くその任にあるのは、決して日本の文学のためにはならないと思います。10年くらいの任期を設定し、順次入れ替えるべきだと考えます
五木寛之も平岩弓枝も達者な小説の書き手であり、文学賞の選考委員としても誠実にその任をこなす人物なのでしょうが、あまりに長く選考委員を務めるのは疑問です
直木賞の発表があったときは、小説雑誌「オール読物」に選考委員の選評が掲載されるので毎回楽しみにしています
選評は短いながらも選考委員の小説観が提示されます。それを見ると、小説を読む能力に疑問を感じるような選考委員もいます。林真理子や渡辺淳一がその代表です
どうしてこんな人間に選考委員を任せたのだろうか、と思うくらいトンチンカンな選評を書いていることがしばしばあります
小説家としては定評のある人物でも他人の小説を読む能力は別、と言わざるを得ません。自分の好き嫌いで作品を判断する傾向が強いように見えます
さて、五木寛之ですが、こどもの頃によくその作品を読みました
当時、ラジオで放送してた朗読の番組があり、五木寛之の作品をしばしば取り上げていました。「ソフィアの秋」とか「老兵たちの合唱」など、ラジオの朗読を聞いた後で小説を手にし、読んだものです
最近の五木寛之は蓮如など、浄土真宗へと傾倒しているようです。作家の宗教観をとやかく言うつもりはありませんが、NHKの番組に登場して文明評論家めいた扱いを受けているのを見ると「随分と変わったな」と感じます
「さらばモスクワ愚連隊」などを書いていた当時の方が、自分の好みです

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