シャチが調教師を死亡させる事故

フロリダのマリンパークで飼育されているシャチが調教師の女性の腕をくわえて水中に引きずり込み死亡させた事故について、ナショナルジオグラフィックが記事を載せています。亡くなったのは40歳のベテラン調教師だったとあります


記事の中で生物学者が、シャチそのものの問題ではなく、動物と接する人間の側にこそ問題があると指摘しています
ですが、この生物学者が何を指摘したいのか、はっきりとは書かれていません
自分なりに推測すれば、「飼育している動物と気持ちが通い合っている」と飼育担当者が勝手に思い込んでしまい、動物のその日の精神状態の変化に鈍感になってしまうがゆえに事故が起こる、と言いたかったのではないでしょうか?
捕鯨問題で顕著に感じられるのは、イルカやクジラといった動物に対する欧米諸国の過剰な思い入れです。野生動物保護という範疇を超え、イルカやクジラに対し何か特別感情を抱いているのは明らかです
そうした欧米人の思いが、獰猛で知られるシャチでも飼育すれば「気持ちが通い合うようになる」との過信を生む背景になっているのかな、と考えます
世界中の動物園で飼育員がトラやライオンという猛獣にかまれたり、シマウマに蹴られるなどして死亡する事故が起きています。動物を扱いなれた飼育員でも事故が起こると言うべきか、動物に慣れている飼育員だからこそ事故が起こると言うべきなのでしょうか?
「野生の動物を飼いならし意のままに操れる」というのは、人間の思い上がりによる幻想であるのかもしれません
野生動物への畏敬を失った代償としてこの種の事故が起こるのだと書けば、「言い過ぎだ」と批判されるのかもしれませんが

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