黒澤明記念館を巡るドタバタ

伊万里市が計画していた黒澤明記念館事業を巡り、財団理事長で故黒澤明監督の長男、黒澤久雄が寄付金3億8800万円を使い込んでいた件が紛糾しています


黒澤理事長は事前の説明で寄付金は保管してあると主張していましたが、一転して使ってしまったと述べています
どのような使途に用いたのかは明かされず、領収書の類も提示されていません
これでは地元の市民が「騙された」と憤るのも当然でしょう
さらに続報で、黒澤明文化振興財団の理事として登記されていたスピルバーク監督らから、「名誉理事就任の要請を受け引き受けたが、理事には就任していない」との抗議が寄せられているとあります
黒澤理事長は「事務手続き上のミスで名誉理事の3人を理事として登記してしまった」と釈明していますが、とても信用できません
いわゆる箔をつけるため、黒澤明を敬愛するスピルバーグ監督やスコセッシ監督に名誉理事就任を持ちかけるのは理解できます。しかし、財団運営に責任を負う立場の理事となると話は別です
名誉理事は名誉職ですから無報酬ですが、理事には報酬が支払われます
つまりスピルバーグ監督らを理事として登記し、報酬を支払っていたように装ってその金を何かに流用していたのではないか、との疑いが生じるわけです
財団の運営費として寄付金である3億8800万円を使ったというなら領収書を提示して、使途を明かす必要があります。それができないなら私的に流用、ないし着服したと見なされても仕方ありません
黒澤明記念館を実現すれば観光の目玉にもなり、町興しにもつながるという安易な発想で計画した結果ではないのでしょうか?
市の公金を充てるからにはその使途をチェックするのは当然で、黒澤理事長を信頼するとかしないとかいう問題ではありません
責任の所在を巡り、ドロドロの争いに発展すると思われます
故黒澤明監督もさぞ苦い顔をしているのではないでしょうか

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