石巻3人死傷事件を考える2 人格障害
犯人の少年がどのような人間であったか徐々に明らかになっています。犯行そのものも周到に計画され、逃走のための車も用意して途中で乗り換えるなどしており、激情に駆られた上での行き当たりばったりの凶行ではないようです
ただ、「交際相手の姉が邪魔だから殺してしまおう」と考え、実行したとしても、事態がすべて自分(犯人)の思い通りになるはずもなく、殺人罪で手配されるのは明らかです
ですからまともな人間ならこのような凶行には走りません
しかし犯人は交際相手の女性を拉致し、逃げ切るつもりでいたようです
18歳の少年が殺人罪で指名手配されて、交際相手の女性を連れて逃げ切るなどとても不可能なのですが、犯人はそれが可能だと思ったのでしょう
回りくどい言い方になりましたが、犯人の思考には現実検討能力が欠けていると指摘したかったためです
実現できるはずもないことを、「やってみせる」と豪語して失敗するタイプです。つまりは「自分は何でもできる」という万能感に衝き動かされており、自分の能力の限界や行動の是非を十分に検討する能力が欠けているのでしょう(だからといって責任能力が欠けている、とは言いません)
無職でブラブラしているのにやたら大きなことを口にし、周囲の助言や忠告に耳を貸そうとせず逆切れする若者、といったイメージが浮かびますが、犯人をそうだと決め付けるのは早とちりの危険があります
タイトルに「人格障害」とつけましたが、現段階で犯人が人格障害と断定するものではありません。しかし、「話せば分かる相手」ではないのは確かでしょう
それだけ人格の偏りが大きく、第三者が介入して犯人を諭そうとしても受け入れようとはしない人間であり、警察が警告したり注意しても犯人の行動を抑止できる可能性はなかったと考えられます(だからこそ、警察の対応には問題があったわけです)
「人格障害」と判断する基準の一つは、話をしても噛み合わず通じないという奇妙な手ごたえです。神経症の人は概ね話しが通じるのですが、「人格障害」の人は自分語りばかりでこちらの話にまったく反応しなかったり、やたら怒り出して攻撃的な言動に出たり、相手をともかく見下して「自分はおまえより上なのだ」という序列に執着したりと、尋常ならざる対応が見られます
もちろんそれだけで人格障害だと断定するわけではありませんが
犯人も人格の偏りが大きく、本来なら通院、あるいは入院して治療を受けた方がよいと判断されるレベルの症状を抱えていたのかもしれません
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