脳科学ブームへの批判

「最新の研究の結果」と銘打ち、「脳の驚くべき機能が解明された」などと煽る記事や本が巷に溢れています。経済協力開発機構(OECD)は、こうした俗説を「神経神話」と呼び、騙されないよう警告を発していると読売新聞が報じています


記事にもあるように、「芸術分野で活躍する人は右脳が発達している」とか、「三歳までにこどもにちゃんとした教育を受けさせれば天才になる」などの俗説がはびこり、それを商売にしている人たちもいます。幼児教育産業はにぎわっており、わが子を天才にしようと企む親が高い授業料を支払い、高価な教材を購入しています
あるいは以前にも取り上げましたが、「ゲームばかりやっていると脳が退化し、非行に走る」といったゲーム脳説をいまだに信じている人もいます
データの出所を忘れてしまいましたが、法務省だったかどこかが調査をし、非行少年は長時間テレビゲームをする傾向がある、と発表していました。非行少年の多くは無職ですから暇をもてあましてダラダラとテレビゲームをしているわけで、それが非行の原因だと断定するのは無理がありすぎです
本気でそんな説を信奉しているとすれば、そちらの方が問題です
こどもたちがテレビゲームに夢中になっているのを懸念し、それを諌める口実として「ゲーム脳」説に飛びついた人たちもいるとは思いますが、エセ科学を信奉するのは危険です
最近ではテレビドラマの「ミスター・ブレイン」が話題になりました。天才脳科学者が難事件を解決するというストーリーですが、これを本当に信じている視聴者がいるとは思えませんが(一部には本気にしている人がいるのかもしれません)
小学生や中学生を対象に学校で正しい情報を伝え、エセ科学知識に騙されないよう教育した方がよいのではないでしょうか?
こどもの頃に読んだ雑誌には、「宇宙人特集」とか「古代の超文明」などトンデモ情報が溢れてました。いまなら顰蹙物ですが、昔はおおらかだったのでしょう。しかし、大人の中に「オーラが見える」とか「わたしの前世は・・・」などと口にする人を見ると、胡散臭い
情報の蔓延がこうしたトンデモ人間を生み出すのだなと思います

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