死刑囚の妻になりたがる女性

結婚詐欺師木嶋佳苗について書いているうち、ふと頭に浮かんだのが死刑囚と結婚したがる女性の話です
木嶋佳苗に一審で死刑判決が出ても、二審から最高裁まで争うなら判決が確定するまで10年はかかります。そうなれば「あれは冤罪事件だ。木嶋さんはむしろ被害者だ」と言い出す人も出て、「木嶋さんを救う会」が発足する可能性もあります
そこに集まるのは死刑廃止運動の活動家や宗教関係者だけでなく、さまざまな思惑を持った人間も登場します
中には木嶋佳苗と結婚したいと言い出す人間もいるかもしれません
最近では大阪教育大付属池田小学校で無差別殺人をやった宅間守が死刑囚として拘置されているときに結婚し、話題になりました
結婚した女性は死刑廃止運動の活動家であり、結婚した目的は死刑廃止を世間に訴えるため(死刑が確定すると家族や弁護士以外の人間と面会できなくなるので)だという話です
しかし、そうした活動目的ではなく宅間守に結婚を申し込んでいた女性もいました
「ヤフー知恵袋」に「詫間守と獄中結婚した女性の目的は」というトピックスがあります


要するにこの女性は既婚者であり、宅間と結婚できるはずもないと知りつつ「死刑囚の花嫁候補」としてメディアに登場し、世間を騒がせたのですが
死刑囚を殉教者・受難者のごとく崇める感情におぼれた不届き者と批判する向きもありますが、しかし以下の発言の部分は重要です


私は社会的にどこか問題がある男性を愛してしまうんです。私、小学校のときからいじめられていて、大人になってからも、疎外され続けてきました。だから、同じように社会から疎外された犯罪者に強く惹かれてしまうんです。支えてあげたいと思ってしまうんです。


ダメな男、素行に問題がある男に惹かれ、不幸な恋愛・結婚をしてしまう女性がいるという話は前にも触れました
その形の一つとして、凶悪事件を起こした死刑囚に惹かれる女性がいても不思議はありません(こうした不幸へのシンパシーは共依存という概念で説明されます)
ただ、女性だけがこのような恋愛感情を抱くとは限りません。男性も、「困っているから助けてほしい」という木嶋佳苗の申し出に誘われ、大金を貢いだりしています
男性の側には「金を渡せば女をモノにできる」との下心があるわけですが、それでも不幸な女に惹かれる何かを内面に抱えているのは間違いないでしょう
「不幸な女ほど情が深い」など男性の側の勝手なの思い込みもあるのですが

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我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人
小学館
小川 善照

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