島根女子大生遺棄事件を考える7 「羊たちの沈黙」
J-CASTニュースが島根女子大生遺棄事件と映画「羊たちの沈黙」の関連について記事にしています
有名な映画ですから犯人がこれを見た可能性は大いにあるでしょう。しかし、それが犯人を特定する決め手になるのか、といえば疑問です
犯人がもし「羊たちの沈黙」に強い興味を抱く、繰り返しこれを視聴するような人物であればレンタルDVDをその都度借りるのではなく、購入して手許に置いているはず
といって、DVDの購入者・所有者をリストアップして順当たりに捜査するなど無理な話であり、現実的ではありません
当ブログでは繰り返し犯人の内なる物語(サディズムと性的快楽に彩られた幻想)について強調してきました
死体を弄び切り刻むという残虐で異常な行為そのものは、常軌を逸していると見られますが、だからといって犯人は精神異常者だと決め付けるわけにはいきません。責任能力が欠けていると断定するわけにもいきません
このような異常な行為に快楽を求めつつも、社会適応し、職業をもっていたり、学生生活を送っている可能性があるからです
映画に登場するレクター博士だって十分に責任能力はあり、「精神異常者」として病院に収容されているのは不可解です
さて、話を戻して犯人は死体愛好者なのでしょうか?
犯人が逮捕され、その人物像が明らかにされない限りは何を言おうと推測でしかありません。当ブログで書いてきた事柄も完全に的外れに終わるのかもしれません
それを承知の上で、いくつか申し述べておきます
世間一般ではサディズムとマゾヒズムという対立した概念があるかのように思われていますが、フロイトはサディズムとマゾヒズムは対立した概念ではなく「すべてのサディストはマゾヒストである」との考えを示しています
となれば、犯人のサディズムが死体に向けられたものだとする見方はあやしくなります
サディストは相手に与える苦痛を己の苦痛とするところに快楽を見出すのであり、苦痛に鈍感なのではありません。つまり過剰なくらい苦痛を求めているのです
相手が苦痛にのたうち悲鳴を上げる様から、その苦痛を己の痛みとし、己の身体に置き換えることで快楽を味わおうとするのです
ならば本来そのサディズムは死体ではなく、苦痛にのたうつ生きた人間に向けられるものだと思われます
犯人は死体を切り刻みたかったのではなく、生きた少女を生きたまま切り刻みたかったのだと推測します。もちろん、それは実行不可能であり、結果として殺害してから物言わぬ遺体をバラバラにして弄んだのですが
このような加虐・陵辱の世界を描いた漫画はいくつも同人本やインディーズとして販売されており、誰でも入手可能です
重ねて申し述べておきますが、この手の漫画の読者がすべて性的異常者というわけではありませんし、性犯罪予備軍というわけでもありませんので念のために
この事件について当ブログでは以下のように言及しています
島根女子大生遺棄事件を考える 1
島根女子大生遺棄事件を考える 2
島根女子大生遺棄事件を考える 3
島根女子大生遺棄事件を考える 4
島根女子大生遺棄事件を考える 5
島根女子大生遺棄事件を考える 6
島根女子大生遺棄事件を考える 8 次の犯行
島根女子大生遺棄事件を考える 9 「死と快楽」
島根女子大生遺棄事件を考える10 フェティシズム
島根女子大生遺棄事件を考える11 事件の相違点
島根女子大生遺棄事件を考える12 殺人者の語り
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