スーパーコンピューター開発を巡る政府の朝令暮改

行政刷新会議が次世代スーパーコンピューターの開発予算を「必要なし」と判断し、凍結されました。しかし菅直人国家戦略室担当大臣がこれに異論を唱え、「行政刷新会議」の結論は最終判断ではないと言い出しました


またもブレまくっています
ならば、行政刷新会議とは何なのでしょうか?
法律に基づいて設置された行政機関などではなく、あくまで政府の政治判断で設けられた「政策決定に助言を行うための補佐機関」なのでしょうが、その判断に基準があるのか、長期的な国家政略の視点があるのかさえ疑問です
つまり場当たり的な判断を繰り返しており、とても信用できないパフォーマンス集団なのです
「予算の無駄を省く」という大義名分のもとに大鉈を振るうような振りをしていますが、一つの案件につき一時間程度の質疑応答で結論を下しており、最初から結論ありきで動いているとしか思えません
さて、スーパーコンピューターの開発がなぜ必要なのか、各メディアがその重要性をあれこれ報道していますからここでは申し述べません
ですが、日本の産業をどうするか、技術立国という目標推進のために何をするかという議論もせず、予算をカットして「行政刷新」と言い張るような稚拙な真似をする政府が、国民の負託に応えられるとは思えません
さまざまな福祉予算のばら撒きも同じで、社会福祉政策をどうするのか、根本的な議論もないまま予算をばら撒くようでは「行政刷新」など看板倒れです
行政刷新会議は財務省が裏で操っていると言われます
財務省は予算の無駄を省くと言いつつ、全国で公務員宿舎の建て替えを推進しています。公務員宿舎が本当に必要なのか、行政刷新会議で議論するのでしょうか?
毎年数百億円かけて公務員宿舎を建て替えるより、必要に応じて民間のアパートを借り上げるなり、家賃を補助するなりした方が効率的な予算の使い方と言えるでしょう
さらに言うなら、温暖化ガス削減のため発展途上国向けに8000億円を支出するという政策こそ、予算の無駄です。具体的なビジョンもなしに8000億円という数字だけが勝手に決められています
その政策の中身もなく裏づけもないのに、コストパフォーマンスの優れた重要な政策であるとでも主張するのでしょうか?

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坂村 健

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