市橋容疑者を知り尽くした捜査員が取調べにあたって

時事通信の配信している記事で、「捜査本部は、指名手配中から科学的手法で容疑者像を分析する『プロファイリング』をしており、取り調べは市橋容疑者の性格を『ある意味知り尽くした』(県警幹部)とされる警部補が担当している」とあります


警察のプロファイリングを揶揄するつもりも否定するつもりもありませんが、市橋容疑者を知り尽くしているはずの警部補が尋問をしているのに、市橋容疑者は事件について具体的な供述は拒否し、食事も摂らない状態が続いています
さて、市橋容疑者の何を知り尽くしていたのでしょうか?
担当警部補には周囲からの期待が寄せられているのですが、それがかえってプレッシャーになっているのではないか、と懸念します
現在はプロファイリングによって導き出された人物像と現実との違いに戸惑い、混乱しているのかもしれません
このまま黙秘が続けば警部補の面目は丸つぶれです
また、断食が続けば「警察は何をやっているんだ」と批判されるでしょう
事前に導き出された人物像が本人と大きく食い違ってたとしても、それを恥じる必要はありませんし、責任を感じる必要もありません(どこで読み違いが生じたか、検証する必要はありますが)
市橋容疑者をプロファイリングをし一定の結論を導き出したとしても、それが事実と合致するかは逮捕されない限り分からないのですから
記事は市橋容疑者が逮捕された直後のものですから、千葉県警としては取り調べへの自信のほどを示し、犯行を自供させてみせるとの意気込みを示すつもりで上記のように語ったと思われます
「たとえ」として不適切かもしれませんが、F1マシンの構造を知り尽くしている技術者が優秀なドライバーになれるとは限りません
プロファイラーが優秀な尋問者であるとも限りません。供述を引き出すにはプロファイリングとは別の技術、理論が必要とされるのです
一時期、元FBI捜査官の書いたプロファイリングに関する本が話題になりました
しかし、中身を読むとどうも日本社会の現状や犯罪事情とかけ離れているようで、参考になるのだろうか、と疑問に思ったものです
日本の警察もかなり前からFBIに研修のため人を送り込み、プロファイリングを勉強させてきました。神戸の連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)ではプロファイリングにより犯人を十代の少年と絞り込んでいた、と聞きます
さて、市橋容疑者から供述を引き出せるのでしょうか?捜査の進展を見守りたいと思います

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