結婚の機会を逃す女性たち

独女通信が『独女の7割「過去に結婚のチャンスがあった」は本当か』という記事を載せています


「結婚適齢期」という概念が崩壊し、20代のうちに結婚するのが当然とされた社会通念が霧散しつつあります
本人の意向はともかく、20代半ばを過ぎればあちらこちらから見合い話が持ち込まれるようになり、結婚させようとする圧力が高まるのは今も昔も変わらないと思われます
が、その圧力を撥ね退けて独身のまま30代に突入する女性が増えているのでしょう
「昔は親が決めた結婚だから」と諾々と従っていたわけですが、いつの頃からか結婚は恋愛成就の成果であるべき、との考えが広がりました
多分にテレビドラマなどの影響が強かったのでしょう
恋愛が成就する確率がどれだけのものか、統計など存在しないので比較のしようもありませんが、恋愛が結婚に結びつく確率は昔も今も大して差はないと思います
「恋愛に臆病だから」というのでもなく、「恋愛が下手だから」というのでもなく、恋愛というものが難しいものである点は現代でも変わりないのです
もちろん携帯電話の出会い系で異性と知り合い、「ともかく付き合ってみて嫌なら別れる」といったスタイルの恋愛を繰り返している人間もいるのですが、それが大勢を占めているわけではありません
しかし、現実問題として結婚を恋愛成就の成果と決め込むのはやめるべきなのかもしれない、と思います
誰もがテレビドラマのヒロインのような恋愛をする権利はありますが、その機会に恵まれるとは限らないからです
今年のバレンタインデーの日の夜、自宅へ戻るため住宅街の中を通りかかると、とある家の門前でキスをしている制服姿の高校生カップルと遭遇しました。黙って通り過ぎるのも悪いなあと思い、後ろから「こんばんわ」と声をかけておきました
彼や彼女が何を思って恋愛をしているのかは分かりませんし、本人たちも分かっていないのでしょう
ただ、「異性と付き合いたい」との衝動から目の前にいる同級生を恋愛対象として選んだだけなのかもしれません(本人たちにすれば運命的な出会いであり、赤い糸で結ばれているのだ、と主張するかもしれませんが)
幼い恋人同士がこの先、充実した幸せな人生をともにできるのかと問われれば、首をかしげるしかありません。目先はいちゃいちゃと楽しい時間を過ごせるはずですが、いざ結婚となれば直面する問題はお見合いによって結婚しようとする男女と大差ありません
恋愛の成果として結婚にたどり着いたカップルがかならずしも幸せな結婚生活を送るとは限らないのは、言うまでもないことです
恋愛をしてその成果が結婚に結びつく、という考えを一度カッコに入れ、切り離して考えてはどうでしょうか?

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