「ヘーゲル読解入門」を読む 1
前にも触れましたが、アレクサンドル・コジェーヴの「ヘーゲル読解入門」(国文社)をようやく入手しました
政府の定額給付金政策の恩恵だと書いておきましょう
出版されたのは1987年です。浅田彰が「構造と力」を出版し、構造主義がブームとなったのが1983年ですから、時流に乗った企画だったのかもしれません
もっとも、自分はこの本が世に出たという記憶はありません。たとえ知ったとしても、当時の自分は「ヘーゲルなんてカビの生えた哲学者で読む価値もない」と思ったはずです
出版から21年目にしてようやく手にしたわけですが、その事実からすれば自分の21年の人生などまったく無駄であったとつくづく思います
21年前にこの本を読み、ヘーゲルからコジェーヴ、ラカンへと進んでいたならもう少しまともな人生を歩めたかもしれません
さて、つまらない繰言はやめにして本題へ移ります
本書はドイツの哲学者ヘーゲルの著書「精神現象学」を読み解きならが、ヘーゲルの思想をとらえようとするものです
「第一章 序に代えて」では自己意識の起源、自己意識がどこから由来するものだとヘーゲルが考察したのかについて、コジェーヴが語ります
自分が自分であるという意識を人はいつ、どのようにして抱くのでしょう?
先般、奈良県の近鉄桜井駅ホームで、高校3年の男子生徒が同級生の男子生徒に包丁で刺さ死亡する事件がありました。詳細はまだ不明ですが、「日ごろから(相手の)学校での態度が気に入らず腹を立てていた。仲が悪かった。殺すつもりで刺した」と語っています
これだけでは二人の関係がどのようなものであったか判然としません。しかし、彼の語る内容から見て取れるものがあります
それは「自分が自分である」意識が乏しいことです。相手が自分の思い通りにならないから、自分が望むような言動を取らないから腹が立つ、というのは彼がまだ未熟で他我の見分けがまだ不十分であるためです
自分が自分であり、他人が他者であるという認識が持てないため、他人の言動が意に反したものであることに我慢できないわけです
もちろん犯行の原因はきっと別なところにあるのでしょう。また、殺人という行為に彼がどのような意味を込めたのか、もう少し情報がないと分からないのですが
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