草薙厚子と「ゲーム脳」
平成13年12月号の月刊「文芸春秋」に「少年犯罪とゲームの深刻な関係」と題する草薙厚子のルポが掲載されました
いわゆる「ゲーム脳」問題の始まりです
草薙厚子はあちこちで、「少年犯罪にはゲームが影響している」と主張しているジャーナリストです
が、その論拠は明確に提示されません。犯罪少年の多くがゲームに興じた経験があるという話から強引に話を進めます
「爆発的に普及したテレビゲームなどにより、引きこもりが増え、深く人間と付き合うことが出来なくなり、希薄な人間関係の中で、バーチャルな感覚、現実と幻想の混乱が生まれた」と書きます
こうした認識はいかに表面的であり、事態を厳密に検証し吟味し考察しているとは思えません
「爆発的に普及したカップラーメンなどにより、引きこもりが増え、深く人間と付き合うことが出来なくなり、希薄な人間関係の中で、バーチャルな感覚、現実と幻想の混乱が生まれた」と書いているのと変わりありません
時の流行と現象を単につなぎ合わせただけです
ゲームが人の内面にどのような影響を及ぼし、行動や思考を左右するのかについてまったく理論付けせず、「ゲームが少年犯罪の元凶」だと断定する手法には唖然とするばかりです
「文芸春秋」掲載のルポでは何人かの専門家がゲームと犯罪との関係について言及していますが、肯定する発言もあれば否定する発言もあります
しかし、草薙のルポの意図は明確に「ゲームが少年犯罪の元凶」説であり、それ以外の可能性は無視しています
繰り返しになりますが、テレビゲームがどう青少年に影響を与えらのか、個々の具体的なケースを例示し、検証するということすら草薙はやろうとしないのです
あとは大学教授の研究を持ち出し、(1)ゲームをしていると脳の前頭葉の稼動が抑制される、(2)前頭葉は人間の行動を統制する部位である、(3)ゲームをしているこどもは前頭葉の稼動が抑制されるため、行動をコントロールできなくなる、(4)したがってゲームをしているこどもは行動を統制できず犯罪に走る、といった話を展開します
一部にはこうした屁理屈を真に受け、ゲームを規制すべきだと叫ぶ人たちが出現しました
「ゲームはけしからん」と思っている人たちは我が意を得たり、とばかりに飛びついたようです
「ゲーム脳」はいまのところ脳神経関連の学会では笑い話扱いです
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